「日本映画村」のアカデミー賞(2012.3.7朝日新聞より)
予想通り、「八日目の蝉」が作品賞をはじめ10部門を受賞した。
が、なぜ永作博美は助演女優賞なのだろうか。「八日目の蝉」は原作が素晴
らしいが映画もよくて、不倫相手の娘を誘拐して自分の子として育てる永作博
美と、その育てられた井上真央のW主演。
だが、どう見たって永作の映画だった。映画の宣伝の時から井上真央がト
ップで永作がセカンド扱いなのが、気になっていたのだけれど。井上真央も悪
くないが、物語の焦点が永作博美の役にあって、観客の感情移入も永作に向く。
現に他の映画賞では、彼女は「八日目の蝉」の主演女優賞を取っているのに、
なぜ助演。2人の女優に最優秀を取らせるために、主演と助演にふりわけたと
言うことなのだろうか。それは映画会社の計算なのか日本アカデミー賞協会の
意図なのか。
なんて考えていたら、この賞が日本映画村と言う小さな社会の中での極めて
政治的なものなんだと改めて認識した。つまり授賞式で漂う身内感は当然とい
うわけだ。