■鈴木おさむ 〜ザ・私聴率 終わるとき〜 on AERA 2011.2.21
番組終了がどうやって決まっていくのか、あまりここで書いたことが無いので書きましょう。
テレビ局には制作と編成という部署があります。制作というのは読んで字のごとく、
番組を制作する部署。編成というのは、どの番組を始めて、どの番組を終わらすのか、
視聴率を見ながら考えていく作戦部隊みたいな部署です。
番組が始まる時はだいたい編成部から目標視聴率が出されます。目標を超えた時はいいです。
問題なのは下回った時。2回目もとりあえず様子を見ます。ここで上がればみんな一安心。
だけど前回より視聴率が悪かった時は。ざわつき始めます。
始める前は褒めていた人も急に意見が変わったりします。修正にするにも、
さすがに3回目の放送には間見合わないので、5回目か6回目の放送に間に合うように、考えていきます。
10月から放送した番組で、あまり視聴率がふるわなかった時は、
だいたい12月くらいにはイエローカードを出されます。
「4月以降は危ないぞ」と企画リニューアルで、視聴率が持ち直す時もあるけれど、
当然だめな時が多い。リニューアルで持ち直すのは、10本のうち1本か2本あったらいい方です。
視聴率が悪いままだと、年明けで春以降も続くかどうか、ジャッジされるわけです。
早いでしょう?シビアなんです。
そういう時はだいたい年明けの何回かの放送に「バー」が設けられることが多いです。
「○%以上が合格」というバー。そうです、試験と一緒です。
そこを上回れば継続。下回れば終了!スタッフはみんなあがきます。
バーより0.1%でも上にいけるようにちょっとでも視聴率を上げる方法はないか。
みんなで知恵をしぼります。バーを下回ると、僕らは視聴率を見た瞬間、ガッカリ。
編成部から「終了」が言い渡されて、次の会議でスタッフはプロデューサーから
終了の告知を受けます。
〜後略〜