843 :
ラスト・フレンズ:
遺書 - 及川宗祐
美知留へ
美知留、君を自由にしてあげるよ。 生きてる限り、僕は君を縛ってしまう。
だから、君に自由をあげるにはこの心臓を止めるしかない。 僕は、君のすべてになりたかった。
君の見る世界のすべてを… 君を照らす光のすべてを… 君の感じる喜びのすべてでありたかったんだ。
どこまでも、いつまでも僕はひとつでいたかった。
でも君は、僕のいない世界に幸せを見つけてしまったんだね。
だから僕は行くよ。
せめてまだ君の温もりがこの手に残っているうちに。 君とひとつになれたことをこの体が覚えているうちに。
ごめんね。 君の笑顔が大好きだったのに直せてあげられなくて。
ごめんね。 愛し方がわからなくて。
ごめんね。 僕が君を幸せにできなくて。
さよなら美知留。幸せにね…。