【柳葉】復讐するは我にあり【逃げる室井】

このエントリーをはてなブックマークに追加
120名無しさんは見た!@放送中は実況板で
原作の小説も映画も知っているが、どうしてこんな題名なのかわからなかった。
「ひどい目にあっても自分で復讐するな。神の怒りにまかせなさい。神はおっしゃっている。復讐するのは私である、と」
という聖書の言葉の引用だ。

今回のこのドラマでは、題名について非常におもしろい解釈をしていると感じた。
榎津は、この聖書の言葉を「ひどい目にあったら復讐してもいいんだ」と、間違った解釈をしてしまった。
そう思いこんだまま、何十年も過ごしてきた。
連続犯罪を行う気持ちの根底には、これもあったのだろう。自分の悲惨な人生についての、世間に対する復讐だ。
しかしじつは、この解釈は間違っていたのだ。
正しい解釈を教誨師から教えられ、何十年もの思いこみを覆され、さらには連続犯罪の正当性(?)まで突き崩され、それでパニックを引き起こしてしまう。
結局彼にできることは、私刑になる直前に、「なーんも信じとらん!」と絶叫することだけだった。
寝言でオラショを唱えることも、もうないだろう。
実に凄惨な人生の話だと思った。

原作や映画とは全く異なる展開だが、題名と作品の内容とを強いて関連づけようとすると、こういう物語になるのかもしれない。
非常に興味深かった。