白夜行　第九十八夜

もう普通に幸せになってよ・・。

一緒なんだよ・・亮・・。
亮の幸せが私にとって免罪符なんだよ・・。
もう、いいじゃない。ここまで来て格好つけなくたって・・。
亮がやった事は、私の為にしてさ・・。
私がやった事は、亮の為にしてさ・・。
そうやって・・やった事、正当化しまくって生きていこうよ・・。

「最悪だろ、それ。」
元から最悪じゃない？私たち・・。

「雪穂も何もかも失うかもしれないよ・・？」

元から、何も持っていない・・。亮以外・・。
だから、もう幽霊はやめて・・。私に約束守らせてよ・・。

おかえり・・。

なあ雪穂・・。俺達は醜かったな・・。
誰もが目を背けるほど醜かったな・・。

ただいま・・。

だからこそ・・、誰もが突き放すその醜さを
お互いに抱きしめようと決めたんだ・・。