NHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」Part31
昨日のは非常に良かった。良かったシーンはふたつ。
ひとつは冒頭の独り言。
独り言シーンは難しい。だけど昨日のは上手く力が抜けてて
とても自然・リアルであり、なおかつムチャクチャかわいかった。
特に「行かないで・・・・もうちょっといてもいいやん!!!」
とか「まあ、そうやんねー」のあたりがタマラン。表情の多彩さにも感心。
で、もうひとつは言うまでもなくこれ↓以降のシーン。
「いっ!・・ッ!・・いかないでッ!!・・いかないで・・ください・・」
まずこの「・・ッ!・・」ってとこに必死なハルカをリアルに感じる。
そしてハッと我に帰り急に声が小さくなる「ください・・・」の部分は
声も表情も思わず飛んでって抱きしめたくなるほど本当にカワイイ。
また、このときのハルカの猿○を呼び止めるときの姿勢というか体位というか
格好がいかにもハルカらしい。普通だったらもっと綺麗にすがりつくだろうに
あえて四つんばいのまま必死に手を伸ばして色気ゼロで力ずく。演出GJ。
ハルカ特有の「ダサかわいい」魅力が良〜く出てる
と、ここでひとつ専門用語が出てきたので説明しよう。
ここに「ダサかわいい」とは
・素直
・を通り越してもはやバカ正直
・なので当然駆け引きなんて無理
・ファッション的にもおよそ色気とは程遠い
・なんか子供っぽいような服
・とにかく必死
・余裕という言葉は辞書には無し
・不器用
・というかややマヌケですらある
・無防備で何を考えてるかとかもバレバレ
・だから見てるとなんだかちょっと可笑しい
・でも言い換えるとそれは一生懸命
・=けなげ
・=ほほえましい
・なのでつい応援したくなる
・というわけでカワイイ
・で、よく見ると実は顔もカワイイ
というような諸要素を兼ね備えた結果
「ダサい けど カワイイ」
と評価される状態をいう。
(→【類義語】「バかわいい」)
実は昨日のふたつのシーン(独り言+ラスト)にも共通する魅力が
ハルカのこの「ダサかわいい」なのであーる。
上の説明を見れば分かる通りここでは衣装も重要なファクター。
昨日のあの垢抜けないガキんちょセーターを選んだ衣装さんと演出はGJ。
演出上のGJは他にもあって、たとえば「行かないで」と言われた猿○の
「なんで」はなんだか冷たい。しかし、そのあとにすぐ続く「どした」は
いつになく優しい。この落差と、ちょうどこのあたりで流れ出すBGM。
音楽さんもGJ。もちろんその演出にうまく乗った猿○も。
だけど昨日のあのシーンのMVPはやはりハルカ。
慌てて正座に座り直すとことか、無理矢理話題を振ろうとするところとか、
そのネタフリに対して猿○が言葉を返してきても全く声を出す余裕もなく
ただ頷くだけとか、背筋伸ばしてオメメをぱっちり皿にして猿○の視線を
必死に追うけどでもそのわりに話は上の空で全然聴いてなかったりとか。
猿○を引きとめようと全神経を集中させて一生懸命なのが良く出ててとってもダサかわいい。
そんなかわいいハルカが「どうしよう・・・話・・終わってしまった」と言って
ガッカリするので見ている方は余計に切ない。ちなみにこのハルカの
「〜してしまった」はたまに出てくるけどこれがまた毎回カワユイ。
そしてガッカリしたところに意外なキス。そのキスは
決してお洒落とは言えないセーター着て、
思いっきり所帯じみた部屋の中で、
なぜか正座をしたまま、
というこれまたいかにも「ダサかわいい」キス。
とても良いと思う。
昨日の分には
MVP賞:ハルカ
アシスト賞:猿○
特別賞:脚本・演出・衣装・音楽さん
を上げよう。