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15日付朝日新聞勇敢:
「TV構造改革」 丸山タケシ
今月から始まった新ドラマ「愛するために愛されたい」(TBS系)。
愛されたいなら、まずは自分から愛さなきゃいけないのである。
傲慢なタイトルにひかれて、つい視聴した。
主演は坂口憲二(以下、ぐっさん)。
米空軍在籍中に子供2人を死亡させた過去を持つパイロット・秋山元治を演じる
ぐっさんは、四六時中、「おれって心に傷があるんだぜ」とまぶしそうに目を細める。
分かりやすいナイス演技。
一方、投資銀行のディレクターで、日本発のスペースシャトル打ち上げ計画を進める
黒木瞳(仁科玲子役)は、資金を工面するために韓国・ソウルへ。
そんな2人は偶然、ソウルのオペラ会場で出会う。
「ソプラノの歌が期待はずれだわ」と文句を垂れる黒木さんに、ぐっさんは
「オペラの真髄はソプラノよりもディテールに存在するものです。
歌は夢でいいのです」。心に傷のある男は、いちいちわかりにくいことを
のたまうのであった。
(続く)