「僕の生きる道」って気持ち悪いドラマだね

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585名無しさんは見た!
「余命わずか」って言うのは映画や芝居やドラマの不滅のテーマで、
それこそ「愛と死を見つめて」(知ってる人だけウケて下さい)から
数限りなくあるわけだけど、
その中でこのドラマが、「余命わずか」の描き方において、
優れているとは、私には思えない。
「死」の意味や重み(それはつまり「生」の意味や重み)が時代によって
どんどん変わっていってるから、安易な比較は出来ないけど、
このドラマは、最近のドラマにしては、丁寧に注意深く、
というか禁欲的に作ってあるというだけのことだと私は思う。
しかもその禁欲的抑制が「よく見える」ことも計算ずくで。
主演にクサナギツヨシ君を選んだのも周到。
彼は上手くはないけれど、別に上手さは必要条件ではないわけで
大事なのは作品世界にあう雰囲気と、SMAPというブランドがもってる話題性。
私自身はこういう計算、決して嫌いじゃないんですが、
そこにあるのは「余命わずか」というテーマに向き合う真摯な態度じゃなく、
いかに「余命わずか」を今のドラマ界で際立つように上手く、
スタイリッシュに料理するかという戦略。
普通に人生経験のあるまともな大人なら、そんなの、すぐわかる。
それでもスタイリッシュ路線を守るなら、心意気を買おうと思ったけど、
ここ1、2回の展開を見るとそれも崩れてしまったみたい。
スタイリッシュを貫くなら、クサナギ君は最後まで孤独でいるべきだったと私は思います。

私がいままで見た少なくない「余命わずか」ものの作品のなかで一番凄いと思ったのは、
山田太一脚本「今朝の秋」です。
・・・あのくらいはやってくれなきゃ、感動なんて。