TBS金10『愛なんていらねえよ、夏』拾弐

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22『日刊ゲンダイ』
2002年8月19日発行
広末涼子をヒロインにしてコケまくるTBSのドラマ

女優として自覚も努力も消えた


 広末涼子(22)にとって絶望的な状況になってきた。
現在出演中の連続ドラマ「愛なんていらねえよ、夏」(TBS)が記録的な低視聴率になっているのだ。
 このドラマで主演の広末が演じているのは盲目の社長令嬢役。
「愛なんて――」はこの家の多額の遺産を狙って近づいた元ホストと広末が恋に落ちるというラブストーリー。
 このドラマはスタートからつまずいた。初回の視聴率が11.1%。
その後も回復の気配がなく、8%台を推移し、8月9日にはついに4.2%まで下降した。
ここ数年でも視聴率が5%を切ったドラマは記憶にない。
お盆シーズンといっても連ドラでこの数字では即刻、番組が打ち切られてもおかしくない。
広末は女優として「完全失格」の烙印(らくいん)を押されたも同然だ。
 いや、それ以前に広末は奇行や乱れた男女関係のスキャンダルを連発させイメージを大きくダウンさせている。
そのうえ第一線女優の自覚はなく、ブクブクに太っている。
そんな女優の主演ドラマがヒットすると考えるのがそもそも間違い。
なぜTBSは広末を起用したのか。責任を問われるべきは制作したTBSだ。
 しかし、TBSのトンチンカンぶりはこれにとどまらない。
実は10月スタートのドラマにも広末をキャスティングしているというのだ。
そのドラマは東芝が9月で1社提供スポンサーを降りる日曜9時枠。
TBSではこれを機会に全面的にリニューアルし、第1弾は田村正和を主役に起用して制作を進めている。
「リニューアル第1弾は絶対成功させたいということで視聴率男の田村正和を持ってきた。
ところが、その相手役にかつて田村と『オヤジぃ。』というTBSのドラマで共演した広末を使おうというのです」(ドラマ関係者)
 TBSはどうかしている。広末人気の急落は1年以上前に始まっていた。
それを無視して「愛なんて――」のプロデューサーは「広末ありき」のドラマを制作して大コケし、それでも懲りずにさらに次作ドラマに起用するというのだ。
 TBSはドラマ作りの前に「使ってほしい女優」の視聴者アンケートでもやった方が賢明かもしれない。