Supernatural サム嫌いな奴のスレ

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178奥さまは名無しさん
ディーン、神々とは気まぐれなもの、世に背を向ける一方で賜物を与える。
けれどわれわれはみな、神々の無慈悲な戯れのうちに住まう者。
われらの受け継ぐべき才知を神々はわがうちに宿らせた。その才知があらゆる差異を見分けさせてしまう。

中略

けれどぼくを見る彼らの眼には、たとえディーンの心をもってさえ、差異があるのがわかるだろう。ぼくはここにいる。

中略

ディーン、ディーンの世界は無知な優しさの世界だ。
剣持つ腕が意気高く荒々しい孤を描き、曇りない眼が鈍りを知らない手を導く、そんな特殊な世界だ。
闘いへの誘いが、夜に混じってささやきかけてくるのを。
この調べはぼくを招く、静寂の玉座へと〈魔王〉の無意識の王国深くへと。

中略

それでもなおディーンはぼくを愛してくれる。
でたらめに混在するぼくらの血がうずき、均衡を保とうとしているからか、それとも雪を切り裂く灼熱の剣としてなのか。
ディーンを戸惑わせるのは、相互依存の不思議さだ。
血脈に宿る奥深い複雑さだ。
闘いの乱舞のさなか盾を差しのべて弟を庇い、立ちはだかる時、その瞬間こそディーンがぼくの弱さを糧として生気にあふれる時なのだ。
ぼくの去った今、ディーンは血の充足をどこで見つけるのだろう?


サム