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ミステリ板住人:
エルの愛読者と言われるリンク&レビンソンの狙いは、『コロンボ』という番組において
倒叙スタイルにおいては不可欠ではない名探偵物語を後半部分に導入することにより、、
倒叙スタイルにおけるフーダニット的謎解きの面白さ
(言わば初期クイーン作品の逆コース)を意図し、見事に成功したことである。
この事は、出来栄えは別としても『構想の死角』が消えた死体というフーダニット的発想
で書かれており、フーダニットでも成立し得るものであること、
『自縛の紐』の犯行の決め手のひとつとなる靴紐の結び方(逆になっている)への着眼が
国名シリーズのマッチ、ヨードチンキ、靴のサイズ等に通じる面白さに富むこと等に
見て取れるものがある。
俺は今ノックスを読んでいるが、大戦前の英国田園を舞台に素人探偵が活躍する
まったりなノックス作品と現代のLA(製作当時)を舞台に刑事がドラマ後半の主人公と
なる『コロンボ』に、どこか似たテーストを感じてしまうのは、
謎解きミステリ=犯人と名探偵が対決する現代のメルヘンという製作姿勢ゆえであろう。