「祝砲の挽歌」の「ナイムハン」について
これは人名ではなく、「内務班」です。だいたい、これが人名だったら、吹き替え版のラムフォードの以下のセリフの意味が通らない。
「内務班で重大な問題が起こっているようだが…」
「生徒の内務班に泊まってはどうかね?」
ちなみに
>>692が引用している部分のセリフを正確に引用すると(カッコ内は日本語字幕)、
「靴下の履き替えが欲しいんです(靴下の替えを)」
「君の部屋は?(君の部屋は?)」
「生徒の内務班です(パーシング棟です)」
「すぐ届けさせよう(届けさせる)」
原語の「Pershing Hall」を吹き替えでは「内務班」と訳しているのだが、これは意訳であって、正しくは字幕のように「パーシング棟」、あるいは「パーシング館」とでも訳すべき。
「祝砲の挽歌」の舞台となる学校内の建物はすべてアメリカの有名な軍人の名を付けて呼ばれており、劇中には他にも「シェリダン・ホール」「マッカーサー・ホール」などの名が出てくる。
「Pershing」はジョン・J・パーシング(1860−1948)の名を取ったものだろう。「パーシング・ミサイル」や「M26パーシング戦車」も彼の名を取って命名されている。
ただ、「パーシング棟」ではアメリカの軍人の名に馴染みがない日本人には通じにくいだろうという配慮から、吹き替えでは「内務班」と訳したのだろう(吹き替えの追加収録部分では「宿舎」という訳も使われている)。
「内務班」は、日本陸軍において平時に兵営内で起居する際の最小単位(この班で一部屋に入り、共同生活する。戦闘時には内務班を母体にして小隊が編成される)の呼び名で、別に特別な任務を持った集団ではない。
っつーことで、残念ながら吹き替え版のセリフは日本語としてはちょっとおかしくなってしまっている。
皆さん、これでおわかりかな?