刑事コロンボについて語ろう 第14話

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172ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
>コロンボのような倒叙型だと、犯人の心の動きが終始把握できるので、
>コロンボとがっぷり四つに組んだ心理戦を全編にわたって満喫できる。
一面の真理だとは思うが、やはり映像では心理戦の魅力は十分に描き切れてはいない
ようである。
「ホリスター将軍のコレクション」を評価しない意見もあるのは、テレビでは
ホリスターがコロンボをどう見ているかが、今ひとつわかりにくいという点もある
のかと思う。
ノヴェラでは、さすがに百戦錬磨の人物だけあってホリスターは、
コロンボを切れ者と見抜いている。
釣りをネタにした2人の対話は、この前提があって見ると非常に面白い。
ノヴェラでもコロンボの心理描写は一切無いがこれは正解。
コロンボという人物こそが、番組における最大の「ミステリ」ゆえである。

俺は、ミステリ板の住人ではあることもあって「自縛の紐」は評価するスタンスだが、
確かに、あの手の謎解きミステリは、繰り返し再見するというタイプのものではない
ようには思う。
ただし、謎解き(コロンボの推理の過程)の確認という意味では、2度目までは
楽しめる。そして、コロンボには珍しく口論(しかも病院のロビーという公の場)まで
した冷血な犯人にもかかわらず、「残念だったな」と若干の共感さえ表すラスト。
名探偵と優秀な犯罪者はコインの表裏に過ぎないと言うが、名探偵としてのコロンボの
プロファイルが表現された印象的なラストではあった。
繰り返し見たくなるのは、やはり「別れのワイン」のようなミステリに
濃い人間ドラマが加味されたものである。
(ただし、繰り返し理由を明記したうえ批判している「祝砲の挽歌」は、
基本設定は「別れのワイン」と同工異曲に過ぎず、犯人のキャラに統一性を欠き、
ミステリとしての魅力も無い駄作に過ぎない。
自己の識見によらず、傑作という世評に惑わされてしまう者が多いのは残念である)