刑事コロンボについて語ろう 第13話

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775ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
鑑賞能力に問題ありと思われるレスが見受けられるので、
「秒読みの殺人」について敷衍しておこう。
エレベーター上に凶器の拳銃を隠す点など、発見される危険性を考慮した場合に
ミステリとして見れば杜撰そのもの。
既に凶器を押収しながらも、犯人にわざわざ芝居がかったトリックを仕掛ける
コロンボの意図も解せないものがある。
ただし、本作を自己を過大評価したキャリアウーマンの転落の物語と理解すれば、
それなりに納得がゆくものがある。
犯人ケイは、努力家で、ある程度のやり手のキャリアウーマンであるのは事実だと
思うが、現場のトップに立てる程の器ではないという意味合いが読み取れるのだ。
すると、一見、巧みなように見えて杜撰な部分がある犯行(杜撰である必然性がある)、
やむを得ないとは言え、彼女が解雇される因となる製作費と視聴率という観点に立った
場合のコストパフォーマンスを無視した番組オンエア、
そして、重役に解雇を告げられるまで、その因に思いが到らない点等も含めて、
ガイシャ(=マーク)が支社長後任に推薦しなかった判断は正しかったと思わざるを
得ないのである。
すると、コロンボが仕掛ける拳銃に関するトリックも、杜撰な犯行に対する揶揄と
読めなくもない。名探偵の敵方にしては力量不足ですよといった。