刑事コロンボについて語ろう part11

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220ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
「時代」というものに無知なレスが見受けられるのが、コロンボオンリーヲタの
特徴かと思う。
まず、コロンボの支持層だが、土曜夜の定番であった番組(10時台の頃の必殺シリーズ、
8時台移行後のドリフの全員集合等)に、馴染めない、あきたらない知識階級の
ファミリー層の心を捉えたのが、刑事コロンボという番組であった。
(必殺シリーズ(第3作「助け人走る」)が、前作「必殺仕置人」のスキャンダルにより、
やや勢いを殺がれていた時期であり、全員集合はマンネリが色濃く出ていた時期なのが、
コロンボの静かなる進撃には幸いしたかもしれぬ)
そして、女性や子供たちのミステリ好きもあって、一般リーマンや自営業等中産階級の
ファミリーの幅広い層へとこの人気が広がってゆく。
男性アダルト層では、「サンセット77」「スパイ大作戦」を支持した人が、
コロンボを好んだようである。
いずれも知的ゲーム感覚に富んだ作品であり、日本には無い、創れないと言われていたものである。(実際、この手の番組の成功例は三谷幸喜の古畑シリーズまで現れない)
アイアンサイドやコジャックは、ファミリー向きにはふさわしくないハードな内容の
ものも多く、放送時間帯の関係もあって、その支持層はアダルト層にとどまっていたと
いうのが、現実であった。
漫画「ちびまる子ちゃん」で、刑事コロンボの話題(なんと「別れのワイン」)は出ても、
コジャック等の話題が出ないのは、こういった当時の事情をよく表していると言えよう。
さらには、全くテーストが異なる国産刑事ドラマのファンが、コロンボファン足り得たという言説も誤りである。
特に、「太陽のほえろ」というは、日テレ得意の青春ドラマの延長線上に製作された番組で
あり、この点は、ショーケン、Gパン等の初期から不変の基本方針であった。
(基本方針を無視して、山さんやボス等がメーンの話が相当数あると強弁することは
無意味である)

出版物に目を転じてみると、横溝ブーム、ベストセラー作家清張の存在により、
コロンボのノヴェラが市場で受け入れられ、売れる条件を整えていた点に
着目しておくこと。
つまり、それぞれに作風の違いはあれど、「謎解きミステリは面白い」という
通念が醸成されていたのである。