621 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :
>>601 「ビデオテープの証言」を推す。
過去ログでも書いたとおり、ミステリ以外の余分な要素が少ない点が好感度大。
文句は見てから言え!
さて、「ハッサン・サラーの反逆」だが、
先週の「忘れられたスター」ほど盛り上がっていないようだね。
こういう傑作でも駄作でもない無難に創られたC級作品は、
賛辞も批判もしにくく、かえって話題になりにくいものなのである。
622 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/04/06 21:38 ID:kud60q06
しかし、裏読みすると、面白い部分も多々あるのだ。
「ラストで、王はハッサンを粛清した。」と考えることも出来る。
2人の政治姿勢に関しては、明確に描かれてはいないが、王は対外開放路線・革新的、
ハッサンは孤立主義・コンサバのようである。
考え方の違いは、レセプションパーティにおける2人の会話からも明らか。
王は「それはウヌの考えに過ぎんわ」と皮肉ぽくハッサンに反論している。
画面で見る限り、終始、話がわかる良い人風に描かれている王だが、
内面では、ハッサン(プラス母国のその一派)を政敵として相当に警戒していたこと
であろう。
(第1の被害者になる警備隊長について、王が面識もあり評価していた旨を語っている点も
見落すことができない。おそらくガイシャは王のシンパないしは近い立場だったのであろう。
ゆえに、ハッサンは眼下の敵対派の一員であり邪魔者を、犯行の過程の中で
躊躇無くあぼーんすることを決意したのだと思われる)
王が帰国の途についたと見せ、わざわざヘリで舞い戻って来てまで、
コロンボのハッサン逮捕に協力するのは、強力な政敵の粛清と考えれば、十分な説得力を
持つものである。
母国に強制送還後、ハッサンを処刑するという手も考えられないではないが、
国内のハッサン派の動向等も気にかかるところであろう。
王の支持者が多い米国で、ハッサンを処刑(と言っても、当時のCAでは死刑制度が廃止されており、最高刑でも終身刑である)するのが好都合ということになろう。
コロンボがハッサン逮捕に、王に協力を求めること(というか王を利用すること)
を考え付いたのは、デモが一般にありがちな王の施政に対する反対運動ではなく、
逆に反対派に対するものだと知った時ではないか。
王とハッサンの関係が、しっくりいっていないのは、2人共に面識があるコロンボには
既知のことであろうし、ウラで2人の政治姿勢の違いくらいは調べていた可能性も考えられる。
623 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/04/06 21:39 ID:kud60q06
最後の方で、ハッサンがコロンボにやたら丁寧に接している点を不可思議に思う向きもあろう
かと思う。(みずから茶まで淹れてやっている)
この点は、以下のように考えたらどうだろうか。
犯行の具体的な物証も無く、そもそも外交官特権としての不逮捕特権を持つハッサンにとって、
LA警察は恐い存在ではあり得ない。
ハッサンがコロンボに丁寧に接しているように見えるのは、何かコロンボに利用価値を
見出したのはではないか?
この点に関する話を持ちかける前に、コロンボと王の連繋プレーにより仕掛けられて
しまったという次第。
ハッサンのコロンボ観は、しつっこくて頭が切れる男だが、所詮、かく首されることを
恐れる小官僚に過ぎない。この点に、コロンボの謝罪を受け入れその身分保障を確約する
ことにより、交換条件による何事かを画策したのでは。
かく首を恐れるかのようなコロンボの「おとぼけぶり」が効果をあげているとも言えよう。
624 :
ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :04/04/06 21:40 ID:kud60q06
アテレコネタだと、ピーター・フォークを藤村有弘がアテたことがあった。