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ミステリ板住人 ◆K5MnIloIhA :
「祝砲の挽歌」と同様に軍人が犯人役である(と言っても退役軍人だが)
「ホリスター将軍のコレクション」という作品の面白さについて書いてみたい。
ただし、心理描写が可能であるノヴェラの良い印象が、映像化作品にプラス評価に
働いている点は否定しない。
1 冒頭部分の洋上からの犯行現場目撃、様子を探るため犯人が目撃者にアプローチ
して行くという展開は、スリリングでミステリとしての魅力に富む。
2 釣りに例えたコロンボとホリスターの腹の探り合いのシーンが洒落っ気があり面白い。
3 犯人のホリスター、目撃者となる母娘(共にバツイチ)等、登場キャラが個性的で面白い。
4 死体処理が雑に過ぎるという批判があるが、突発的な犯行であること、ホリスターは
軍人であり、殺人や死体処理は恐れないものの殺しのプロではないこと等を考え合わ
せれば、批判に値する程のものではなく、むしろリアリティに富んでいると見る事が可能。
日本の例だが、最近発生したフリー・ライター殺しを想起されたい。
5 室内での射殺という犯行のため血痕等の犯跡が残る事を問題視する向きもあるが、
この点は「構想の死角」等も同様。
そもそも、ホリスターの社会的なステータスを考慮すると、強制的な家宅捜査が困難だと
考えられる。