http://www.henjinkutsu.net/bn/020308_moviereport_ring.txt “是非とも吹き替え版での鑑賞を奨めたい”
・単純に情報量が多い
日本語の場合殆どの人は読むよりも聞く方が同一時間で多くの文章を理解
することが出来る。字幕ではカットされた細かい情報が吹き替えではセリ
フの中から得られるのでより作品を理解しやすい。とくに登場人物が多く
情報量も多いこの作品ではこのことは重要である。
・人物関係を理解しやすい
原作を知らずに字幕のみ見た方は主人公フロドとサムの関係を最後まで誤
解していた方もいたことだろう。
これはネタバレと言うよりは映画を見るための予備知識程度の話なので述
べるが、サムは主人公フロドの家(バギンズ家)の庭師で、2人は主従関
係である。2人の関係は続く第2作、第3作目を楽しむ上でもちゃんと理
解しておく必要がある。しかし、字幕ではそれが上手く伝わっていないし
、パンフレットにさえ親友と書かれている始末である。
それに対して吹き替えの方ではサムが庭師であることがわかりやすくなっ
ており、“旦那”という言葉のおかげで容易に主従関係が理解できる。
・良く似た顔の人物を見分けやすい
登場人物の多いこの作品、人物の見分けがつかなかったという方も多くい
ただろう。特にアラゴルンとボロミア、メリーとピピン、この見分けが困
難だったという声は良く聞く。ところが吹き替え版の場合は、元の役者以
上に吹き替えの声優の方の声質が違うのでこれらのキャラクターの見分け
(声の違いによる判別)が容易になっている。特にアラゴルンとボロミアが
ハッキリ区別できないと映画の楽しみを大きく削ぐことになるのでこの二
人の区別がつきやすい吹き替え版はとてもありがたい。
・字幕がひどい
映画字幕というのは制約が多い。人間が画面をある程度見ながら読める文
字数というのは1秒4文字(一応の目安。状況により多少異なる)と言われ
ている。字数を多くすると元のセリフをより正確に伝えられるが、読むの
に手一杯で映像を見る余裕が無くなる。逆に字数を少なくすると読むのは
楽だが正確性に欠けるということになる。そこで字幕翻訳家は字数制限の
中でなるべく正確な情報を伝えるべく意訳を行うわけである。
そこでこの作品における字幕であるが、これがヒドイ。あまりにも強引な
意訳や、誤訳としか言い様のないものが随所に見られる。
“字幕だからしょうがない”という言葉ではとても片付けられない。
具体例をあげて説明したいが映画のネタバレになるのでここでは述べない
でおく。
今回字幕を担当されたのは戸田奈津子女史。おそらく日本で一番有名な字
幕翻訳家であろう。特に映画ファンでなくとも名前を知っている方は多い
と思う。だが戸田女史は映画ファンの間ではその誤訳、妙訳、珍訳、でも
広く知られている。興味のある方はgoogleで“戸田奈津子 誤訳”で検索
をかけてみるといいかもしれない。
私は戸田女史の過去の仕事を全て知っているわけではないので今回の字幕
だけで 女史の仕事全てを否定するようなことはしない。だが今回の仕事
“だけ”に限って言うならば、とてもヒドイと言わざるをえない。
現在ネット上の噂で第2作目以降も女史が字幕担当になるとの話が流れて
いるのだが、そうならない事を切に願う。
・声優陣の名演技
今回吹き替え版の声優陣だが、話題性を高めるためのアイドル声優的なも
の(シュレックでのダウンタウンの浜ちゃんの採用といったもの)は一切
なく、どの声優陣も役にふさわしい声であるし、その演技も全体的にとて
も質の高いものであると私は思う。特に字幕と違って細かいニュアンスま
でダイレクトに伝わって来るのは吹き替えゆえの良さだろう。
その他、原作ファンに慣れ親しんだ名セリフが吹き替え版の方が再現度が
高いとか、小声での喋りが字幕では無視されているとかといった理由も挙
げられるが原作ファンでない一般の方には上記に挙げた事ほど重要ではな
いと思われるので割愛する。
http://www05.u-page.so-net.ne.jp/gf6/funafuna/home/kiroku/backnambers/02.03back.html 字幕版→吹き替え版→字幕版と3回観たのだけども、凄いことに気が付きました。
実は、吹き替え版の方が5倍ぐらいオモシロイのであります。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~midearth/caption/hajime.htm 字幕というのは、セリフを全部訳してると字でスクリーンが埋まっちゃうし、読んでる時間もないから、字数制限というのがあって、ここは何秒あるから何字以内、というのが決まっています。
例えば極端な話、「夢のような色の美しい花だ。まるであの日に会った女性のようだ」なーんていうのが、「美しい」 の一言で済まされたりするわけ。
字幕は字数制限があります。吹き替えも、全訳するとどうしても日本語の方が長くなりますから、字幕ほどではないにしても、短くなります。
ただでさえ、削りに削って、必要な情報を残した脚本、もともとのセリフを、また削らなくてはなりません。
情報量を削ったことで、わからなくなっていることもあります。削っただけでなくて、変な風に変えちゃうと、話が違う方向へ進んでしまいます。
今回の指輪物語、吹き替え版が好評です。グワイヒアは両方見ました。ぐわちゃんはね、日本語の字幕も読めるんだよ。すごいだろ。ふふふ。
いや、そういう話じゃなくて、要するに、グワイヒアも吹き替えの方が100倍くらい良かった! と思った。
字幕は・・・よくわかんなかったな。いや、日本語は読めるんだけどさ。
なんか話が変だったし。