モバゲーは1、2年で横浜を手放す可能性があるTBSからの球団売却が正式決定したが…
◆マーケットにくすぶる不安と懸念
4日、横浜ベイスターズの親会社であるTBSから、交流サイト運営大手のDeNAへの球団売却が決まった。12月1日に行われるオーナー会議で4分の3以上の承認を得られれば、「横浜DeNAベイスターズ」が誕生する。
同社は球団を「長期保有」する方針を示しているものの、他球団からは依然として経営の安定性を不安視する声がくすぶっている。大丈夫なのか? 株式評論家の倉多慎之助氏もこう懸念する。
「ツイッターやフェイスブックなど世界ぐるみで競争があり、過去にはGREE(グリー。日本の大手インターネット企業)がDeNAを潰しにかかったこともあった。またアイフォーンの進出といったように、ビジネスモデルが変わりやすいこの業界は、将来的に非常にリスキーなビジネスと言えます」
横浜スタジアムの鶴岡社長は「10年そこらで大きくなった会社は、下手すりゃ5年でダメになることもある」と言っている。専門家も同様の不安を指摘するのだ。
DeNAの直近の通期連結決算の売上高は1127億円。10月末に発表した11年9月中間決算は過去最高を更新したが、四半期ベースでは純利益が13%減となった。経営の安定性に疑問を持つ一部球団の反対も分からないではない。
横浜は毎年20億円から30億円の赤字を計上。“家主”の横浜スタジアムに、球場使用料として入場料の25%(昨年は約8億円)を支払い、年間約25億円ともいわれる売店や広告収入もすべて球場にもっていかれる。
さらに、球場は国有地を借り上げた場所であるため、自由な増築や改装が困難。仮にDeNAにメジャーに倣ったボールパーク構想のようなアイデアがあっても、それを実現する環境にない。
(続く)
日刊ゲンダイ 2011/11/5
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