文春から引用
あの番組には欠点があったんです。十字ができたときに答える人が損だと。
十字ができた後に答えるとつぎの人に角を取られる可能性が出てくるんです。
すると、角を取るまで答えない人がいるんですよ。一時、いくら問題出しても
全員答えないときがあって。中には、わざと間違って立ったり。
僕は「この番組はこれで終わったか」と思ったの。で、スタッフがいろいろ
考えたんだけど、そういうときはものすごくやさしい問題を出すんです。
策を練った人間っていうのはね、策におぼれるんです。待ちに待って「さあ
答えよう」とボタン押したからといっても、四人いるから権利が取れるかどうかは
わからない。誤算が出て来てガタガタになる。
しかも十字のところで答えなかった人たちが勝てたかというと勝てない。
むしろ、そのとき果敢に打って出た人の方が勝っちゃうケースが出てくる。
番組を眺めてた人たちも、そういう推移を見て「策を弄さないほうがいい」と
気づいてくれた。