水10!【ワンナイ】 part5【終わんない】

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205朝日新聞 池見哲司
朝日新聞 論説委員室から 「フジ脱線」  

「面白くなければテレビじゃない」というキャッチフレーズで売ってきたフジ
が脱線した。ダイエーホークスの王監督の顔をかたどった便器で、お笑いタレント
が悪ふざけするバラエティー番組を放映したのがきっかけだ。
球団の抗議に対してフジ側が謝罪し、番組でおわびを流した。事態はひとまず終息の方向
に向かっている。
だが、王監督は「球界と芸能界を一緒にするからこういうことになる」と語ったように
問題の根っこにはスポーツまでも面白芸能路線に引きずり込むテレビ界の風潮があると思う。
フジの「プロ野球ニュース」の辛口解説者として活躍した豊田泰光さんも、近書で自分の番組
が打ち切られた経緯を批判し、こう記している。
「テレビのプロ野球中継の解説者として厚遇を得る為には、有力なプロダクション
の専属にならなくてはというようなウワサが、私の耳にも入ってきている」
「そうなると、連中はタレントとして扱われるから、くだらないバラエティー番組にも
出なくてはならない。そんな雰囲気にどっぷり浸かってしまった『タレント解説者』の
コメントには、自然と『おちゃらけムード』が漂ってしまう。そんなことでいいのだろうか」
テレビの放送が始まって50年、行きすぎた面白芸能路線は見直されるべき時期を迎えている。