3 :
プロローグ ◆Mk7zjh6zL. :
気づけば闇の中で目覚めていた。
視界はあるはずなのに、映し出されるのは無彩色を背景にした青の線だ。
少なくとも幼かったころには目の前に、鮮やかな街の光や広大な緑が映えていたというのに。
無彩色を切り裂く尖った青と破壊の白の組み合わせ。
これは電気の流れだろうか。
それは脳に流れ込み、この体を蝕んでいる。
全身を包むのは電気の熱ではなく、落雷後の冷気。
この冷たさは何か。外的な冷たさではない。
まるで……。そう……。
孤独。
孤独。孤独。孤独。
自分の実体はみえず、精神だけが除かせる。
孤独に次ぐ孤独。
叫ぼうとしても声がでない。
代わりに自分のものでない自分の笑い声が響く。