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最低人類0号:
■新興市場で最近、資金繰りに窮した会社が、不動産の現物出資による増資を相次いでおこなっていることから一部で注目を浴びている。
ジャスダック上場のゲームソフト販売会社「NESTAGE」は2月10日、12億円の第3者割当増資を発表したが、出資対象となった不動産は休業中の宿泊施設3物件。
しかし、その一つ「かんぽの宿 層雲峡」(=左写真、北海道・上川町)は、前所有者の「大江戸温泉物語」(東京・江東区)による営業再開の見込みが立たず、
固定資産税を回避するため壁面に10メートルの穴を2カ所あけたという代物だ。
これを今回の増資では、約5億1900万円と鑑定しているが、一部報道によれば大江戸温泉物語はこの物件を約1億7000万円で購入していたという。
■さらに、ジャスダック上場の不動産会社「セイクレスト」も2月18日、不動産の現物出資による20億円の第3者割当増資を発表。
割当先は福島県の合同会社で、和歌山県白浜町のシーサイドリゾートが現物出資されるが、この合同会社が取得したのは2月9日と間もない。
払込予定日は今月25日だ。
■不動産の現物出資は過去にも例がなかったわけではない。「ニューディール」(東証マザーズ、上場廃止)は08年9月に7億5000万円、
「エル・シー・エーホールディングス」(東証2部、旧日本LCA)は09年5月に約11億円の不動産現物出資による第3者割当増資をそれぞれ実施している。
しかし、こうしたスキームに常につきまとうのは、不動産鑑定が過大に評価されているのではないか、との疑念である。
ニューディールは当該物件に買い戻し特約登記が設定されていたことなどから、「架空増資」との疑惑まで取り沙汰された。