そんなに関西が嫌いなら、
専業作家になる決意を抱いて執筆した『面影双紙』や、
小栗の弔い合戦として書いた『蝶々殺人事件』の主要舞台がなぜ大阪なのか、
『悪魔が来たりて笛を吹く』で1/5以上がなぜ神戸を中心としているのか、
という点に対する反論がゼロですね、結局。
だいたい関西が嫌いなら、「刺青された男」「深紅の秘密」「物言わぬ鸚鵡の話」
「丘の三軒家」「キャン・シャック酒場」みたいな短編も書かないだろう。
まともに考えれば、
戦前のわずか数年間しか住んでいなかった大阪を舞台にした作品が
戦後の作品にほとんどないというのは当然の結果。
由利ものにしても他の主要短編にしても、
電車嫌いな横溝が身近なところを舞台にしたと考えた方が普通。
>642 名前: 書斎魔神 ◆AhysOwpt/w 投稿日: 2008/05/25(日) 16:29:55 ID:ZDpRZf6p
>(前略)
>現代的(執筆当時)な社会情勢・風俗等を作品中に投入するのは、
>一般に社会派と言われる作家の作品の特色であるが、この対極に位置する感がある御大は
>現実の街がどうこうといったものには囚われる必要がない作風なのである。
本当に横溝作品をきっちり読んでいるのかどうか疑問な発言。
横溝は、執筆された作品における設定内での街(ないし村)や状況などはちゃんと書いているけれどね。
東京を舞台にした作品のほとんどでは、東京の様子や風俗なんかも書いているわけだし。