春夏秋冬…京都へ その百七

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755スブラマニアン・チャンドラセカール
あと一月足らずで震災から一年になる。
あの日北野天満宮はあいにく小雨模様だったが、それでもピークを迎えた梅園を楽しみに訪れる人々でごった返していた。
それは平和で幸せな光景だった。はるか東北でおきていた悲劇とはまさに対照的な古都の花春であった。

しかしその夜、京都駅は趣を一変していた。
いつも人が溢れていた新幹線ホームには一人も乗降客がおらず、周辺通路に疲れきった表情で座り込む人々がやたらと目についた。
頻繁に流れるニユース映像からは、もはや関東に向かう交通手段が完全に潰えてしまった事が容易に窺えた。

日本にとって歴史的な大変な一日だったが、私はなんとか無事に京橋駅に辿り着いた。
しかし被害は私の想像を遥かに超える凄まじいものだった。

あの日私は、期せずして歴史の目撃者の一人となってしまったのだ。