春夏秋冬…京都へ その百七

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66ダニエル・オルテガ
あの震災の日、北野天満宮は梅園を楽しみに訪れる人々でごった返していた。
それは平和で幸せな光景だった。
はるか東北でおきていた悲劇とはまさに対照的な古都の花春であった。

しかしその夜、京都駅は趣を一変していた。
いつも人が溢れていた新幹線ホームには一人も乗降客がおらず、周辺通路に疲れきった表情で座り込む人々がやたらと目についた。

大変な一日だったが、私自身は無事に大阪に辿り着いた。
しかし被害は私の想像を遥かに超えたものだった。
あの日私は、期せずして歴史の目撃者の一人となってしまったのだ。