八重山離島 Part4

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568列島縦断名無しさん
GWに石垣島と西表島に行ってきたので旅行記を始めます。
最初に断りますが、今回は自転車を使用しました。
レンタルバイクを使用すると、キャンプし辛くなること。
離島を回るに当たっては、自前バイクを持ち込むことは現実的でないこと。
何かあった時(天候の悪化等)、バイクを放棄せざるを得ないこと。
以上の点から、自転車キャンプツーリングを実施しました。

29日、石垣空港へ降り立った。(便名は秘密です)
まず、手荷物として預けた自転車を受け取り、走行状態に組んだ。
その後、某輸送会社の事業者に事業者止めで送っていたキャンプ用具を受け取ったのだが、ここでトラブルが生じた。
事業所の位置を特定できずに、無意味に時間を浪費してしまった。
全部完了した時には、日が暮れた。
ここで、キャンプを断念した。知らない土地でのナイトランは、リスクが高すぎる。
やむを得ず、おーりとーり通りにある某ビジネスホテルに電話したところ、あっさりとOKがとれた。
シャワー付個室で一泊三千円、ちょっと騒がしい通りだけど、屋根があるということは安心する。
コインシャワーでも無いのはうれしい。w
離島桟橋にも近く、便利だ。
明日は西表島を目指す。
569列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:28:12 ID:iBTTgPta0
30日、離島桟橋へ出向く。
桟橋は改修中で、新ターミナルを建設中とのこと。今は港の一番奥が船着場になっている。
一番早朝の西表島行き高速船には乗り遅れてしまい、二番目の便に乗ることとして、自転車の積み込みについて聞く。
輪行にすれば積み込んでも構わないとのこと。ばらして積み込む。
西表島には、二つの船着場があり、大原 上原とある。
大原行きは南東部、上原は北西部に着く。
ちなみに、北西部のほうが栄えている。
料金も所要時間も上原の方が、ちょっとかかる。

高速船はかなりスピードを出す。結構怖い。
大原港に着く。

大原港は綺麗な港だ。待合室も綺麗だ。
自転車を組み立てていたところ、待合室のおじいさんがにらんでいることに気づく。
何だろうか。やや不気味である。
話し掛けたが反応がない・・・・。

大原からさらに南下する。豊原の売店で休息。
ここから南は、売店もない。南下する場合の補給はここで調達するべきだ。

570列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:28:47 ID:iBTTgPta0
牧場が広がる。牛と鳥(サギのような奴)がのんびりしている。牛の頭に乗っている奴もいる。
関西のナンバーをつけたカブのお兄さんが写生をしていた。

南風原浜に着く。
最果ての地を感じさせる風景が広がる。これより先には道がない。あまり観光客もいない。いい感じだ。
浜入口の手前にキャンプ場がある。虫に気をつければ、よさそうだ。

浜でしばらく休んで北上を開始する。今夜の宿、上原が目的地だ。
途中、大原で食事にする。でいーごという店。以前は違う名前だったらしい。(ツーリングマップルと違っていた)
近くにはガソリンスタンドもあった。また、川を渡ると共同売店があり、見習中の女の子が店番していた。
蚊取り線香を買う。

北上を続ける。水牛渡りで有名な由布島に行く。浅瀬を牛車に乗って、島へ渡る。
水牛の牛車渡りは1500円だが、ジュース一杯も飲めるので、お勧め。
水牛のうんちやおしっこも見ることができる。
問題は、御者のおじさん。面白い話をする人だけでなく、変な話をする人もいる。御者さんの家庭の事情など知らないし、どうでもいいことだ。
ルーズな島だが、発車時刻は守ろう。他のお客さんににらまれることになる。

さらに北上をする。雨がぱらついてきた。
休憩も含めて、西表島温泉に入る。1500円。高いが、プールもあるのでそちらで泳げばもとは取れるだろう。
塩素くさい。殺菌は十分にしているようだ。
571列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:29:52 ID:iBTTgPta0
5時前に今夜のお宿、変わった名前の某キャンプ場にたどり着く。
こじんまりしているが、芝生のよいキャンプ場だ。眺めもよい。
温水シャワーも制限が無く、綺麗。トイレも綺麗である。
流し場には、洗剤たわしも完備。ガスも各種のカートリッジがあり、購入できる。
バイク・自転車置き場には屋根もある。
上原港にも近く、お勧め。(値段は確か600円)
連泊している人もいて、盛り上がっているが、自分のような新参者に干渉してくることも無かった。
また、22時半以降(張り紙によって時間が違う)の騒ぎが禁止されており、夜は静かになった。

買出し兼食事に出る。新八食堂というところで夕食にする。
みそ汁定食はともかく、かつおの刺身はマジでうまかった。
枕崎で食べたかつおに匹敵する。
近くの川満スーパーに買出しに行くが、めぼしいものはない。
夜食用にラーメンを買っておく。

夜は暑かった・・・。湿度が無茶苦茶高く、眠れない。
暑気払いに夜道を散歩していると、道端の蛍が綺麗だった。
キャンプ場へ戻ると、雲の切れ間より、南十字星が見えた。

朝は早い。東を向いているので、もろに朝日が差し込む。
とても寝てられない。予報では、曇りだったがかなり日が差している。
支度を済ますと、さっさと出る。
572列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:30:38 ID:j0r3XmHF0
さて、今度は西を目指す。
上原を通過して、浦内川につく。
滝めぐり観光コースに参加。
1500円。
船で30分歩いて40分(片道)のコース.
残念ながら、手前のマリュドウの滝には降りられない(5/1現在)
事故で閉鎖されている。展望台から眺めるのみ。
カンピレーの滝には近づける。ポットホールがあった。
一応3時間ということであったが、足の遅い人、ゆっくりしたい人は事前に次の便で帰りたい旨を知らせておくべき。

さらに西を目指す。
祖納という集落につく。東経123度45分6.789秒がとおっているということでモニュメント兼地元の人のくつろぎ場がある.
親子がいて、奥さんが話し掛けてくるが内容がよくわからない.夜にはライトアップするようだが、何のために?
子供にバイバイと見送られて、後にする。日差しは強いが風が心地よい。

ちょっと怖いトンネルを抜けると、最期の集落があった。(本当はさらにその先がある)
だが、道はここまでだ。小学校で行き止まりだ。
最果ての地にたたずむ寂しさに包まれる。
空は青いが、なぜか寂しい気持ちになる。
海から吹く風にふかれ、旅情に浸り、少し休む。
上原港を目指す。


祖納を過ぎると、ニイカナイ(ラ抜き?)反対の立て札が目につく。
・・マット系の高級リゾートだが、週刊誌を騒がしたこともある。
環境負荷を抑えても、限度があるだろう。
ここに必要なものなのだろうか。疑問は残る。雇用や地元振興等のことも考えにいれても。
今回の旅では、考える機会が多かった。
573列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:32:03 ID:j0r3XmHF0
上原港に着く前に、新八食堂で、猪ちゃんぷるーを食す。
甘めの味付け。
客は八分の入りだが、新八食堂の処理能力を越えてしまっているようだ。
客と店員さんが話している。w
時が止まっている場所が、日本に残っていてもよいかとも思う。
都会人の勝手な思いかもしれんが。

船を待つ間、上原港近くのパーラーでかき氷を食す。
ん?
よく見ると、蟻がいる!!
まあいいか、避けて食えば。
蟻をどけて、かき氷を食べる。

西表へ生活物資を運んだ高速船に乗り込み、西表を後にする。
かなり揺れたが、正体なく眠り込んだ。
自転車とパイナップル箱に囲まれて。
石垣離島桟橋へ帰る。
桟橋で、再度自転車を組む。
a&wで小休止(結構粘った)した後、空港近くのジャスコで買出し。
於茂登岳を目指す。
思ったより距離がある。バイクでも30分ぐらいかかるか?
勾配はさほどきつくはないが、キャンプ機材満載の自転車にはちとつらい。
於茂登トンネルに入る。トンネル内も勾配があり、自転車では要注意の場所だ。
トンネルを出ると、公園があった。湧き水があるとのことであったが、見つからなかった。

574列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:35:54 ID:j0r3XmHF0
夕暮れが迫り、米原を目指す。
管理棟を見つけ、叩くが、誰もいない。
キャンプ場閉鎖(平成18年3月31日まで)の張り紙があるだけだ。
披露困憊していため、翌日払うこととして(結果的には、翌々日にまとめて払った)、ジャスコの弁当を食べて、寝付く。
波の音が心地よい。
翌日は、風で起こされた。結構強く吹いている。
管理人を待っていたが、一向に来ないので、離島桟橋へ出かける。
今日の予定は波照間島だ。
桟橋には、小学生が溢れていた。どうも、石垣島の小学生(白保の中学生もいたようだ。)の遠足らしい。
彼らも島を渡るのだろう。
・・・ところが、船は出ていなかった。
強い北風のために、高速船が出ていないのだ。時間は未定だった。
昨日の西表にも行くことはできない。
飛行機ならば、多少の風でも飛ぶが、船ではそうはいかない。島の厳しい現実だ。

考えた末に、竹富島への短い航海に変更した。竹富島ならば、欠航することは無い。リスクを冒すよりも、確実なところを訪れよう。
早速、竹富島への高速船に自転車を積み込んだ。

・・・・高速船での10分は恐怖としか表現しようが無かった。波が荒れて船がゆれるゆれる。
船先に乗せた自転車がもんどり落ちる恐怖にかられた。
もう駄目かと思ったが、船は難なく竹富島の桟橋に接岸した。船の人には何でもないことなのだろう。
575列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:36:45 ID:j0r3XmHF0
赤い屋根白いさんごの道で有名な竹富島。
意外な一面は、島の南東側は、牧場が広がること。
そして、猫がそこいら中にいることだった。
誰もいない浜辺に寝そべっていると、がやがや声がする。「おはようございます」力の限り、挨拶する声がする。
先ほどの小学生達だ。遠くの島へいけない小学生たちも竹富島へ来てしまったのだ。
逃げるように、東岸の浜辺へ移動する。
ここは誰もいない。
旅情に浸るのにはもってこいだ。誰にも邪魔されない時間が過ぎていく・・・。

っと、ここにも元気な小学生が・・・。
船虫かお前らは。

小学生パワーに押され、桟橋へ追いやられて、一人猫と戯れる。
・・・馬鹿だ。

雲行きが怪しいと判断して、早めに桟橋から石垣へ帰る。桟橋に着くとほっとする。
モスバーガーで休みながら、雨量レーダーをチェックする。石垣島に雨雲が接近している。
やばい。
空港近くのジャスコでまた買出し。駐輪場には、日本中のステッカーを貼ったバイクが鎮座している。
持ち主ともお話したかったが、雨が降りそうなので、出立する。
程なくかなりの雨となる。つらい。が、頑張って、米原にたどり着く。
もう夜だ。
食堂を探しに海岸沿いを南下する。ミニ食堂付きの売店を見つける。
味には期待していなかったが、ここの豆腐ちゃんプルはうまかった。
だから、名前も秘密。
舌も腹も満足して、キャンプ場へ帰る。
相変わらず、管理人はいない。
576列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:37:34 ID:j0r3XmHF0
キャンプ場へ帰り着く頃には、雨は上がっていた。
だが、安らぎをぶち壊す存在が・・・。
蚊だ。
激しくうざい。奴らは蚊取り線香をものともしない。ひょっとして、マラリヤ持ちか?転げだすように、海辺へ、風の吹くところへ逃げ出す。
海辺は激しく気持ちが良い。風が心地よい。
雲が切れ、月がのぞくと、海面に月が映る。
月は波にゆれて 幾百 幾千 古い熱い夢の数だけ、砕け散っていた。

ふと、波打ち際を見ると、蛍のような明かりがともっている。
何だろうか?
砂の船か?
それとも、帰り人の魂か?

恐る恐る近づくと、夜釣りをしている人だった。
話し掛けたところ、近所の移住者だった。
夜のさんご礁で、イカを餌に夜釣りをしていたのだった。見る間に、でかい魚(30cm)ぐらいを釣り上げた。
凄いと思って観察していると、彼の友人もビール片手にギャラリーに加わった。
二人は近く、管理等のすぐ裏手で、バーベキューをしているようだった。家族を残し、夜釣りに出てきたとのことだった。
しばらく見ていたが、結局戦果は、一匹だけだった。
夜風にふかれ、砂まみれになった体を水シャワーで洗い流し、就寝した。
577列島縦断名無しさん:2006/05/12(金) 09:38:28 ID:i8OJAxu10
翌朝は、曇りだった。つい二度寝をしていると、やっと管理人が来たので、まとめて支払った。
一泊400円である。
支払い、石垣島一周を目指し、北上する。
途中にハブを発見。とぐろを巻いている!!
恐る恐る近づいてみると、車に引かれた後があった。誰かが道端にとぐろをまくように置いたようだ。
人騒がせな。
曇り空ではあるが、暑くも無く快適である。一気に平久保崎灯台まで走る。ぐるっと水平線が見渡せる。
かいてきな気分だ。
だが、腹が減る。明石食堂でそばを食べようとするが、こんでいる。
近くの牛汁を食べる。期待していなかったが、まあうまかった。
ちょっと薄味だが。後はひたすら南下する。白保手前は大牧草地帯。
荷物をテントに置き去りにしたため、巡航速度は上がる。
マングローブの見える湾を過ぎ、また市内に入る。
ちなみに、石垣島には、ホットSPAしかコンビには無いようだ。
まあ、ジャスコは24時間開いているようだが。
ここで、方向転換して、西へ進路をとる。浅瀬にそった道ををすべるように抜けていくと、美しい川平湾が飛び込んできた。
薄日にも尋常ではない美しさが伝わる。
米原に着くと、夕暮れだった。
美しい。吸い込まれていくようだ。あの海の向こうにはあの世が広がるのだろうか。
風はあの世から吹いてくるように感じられた。
旅の終わりを感じさせる風だった。

日が沈むまで、海に向かった自分は、汗で汚れた体を洗うべく、水シャワーに向かった。
波の音が背中にしみ渡った。