●行ってガッカリした観光地●

神戸人は東京出張の帰りに横浜を訪れることにした。
「横浜は神戸より田舎に違いないぜ！いっちょう横浜でも相手にしてやるか」
神戸人は東海道線快速アクティーに乗って、横浜に向かう。
横浜市に入ると美しいビル群とその彼方に見えるランドマークタワーが見えて来た。
神戸人はその景観の美しさに動揺するとともに神戸の貧しい鮮人住宅街を思い出さずにはいられなかった。
横浜駅で京浜東北線乗り換え、桜木町駅に着くと、ＪＲ神戸駅や三ノ宮駅とは比較にならない賑わいに圧倒された。
神戸人は湊川神社まで来ると全く人がいないＪＲ神戸駅の現状を噛み締めるしかなかった。
元町方向にとぼとぼと歩いて行く神戸人。
元町に着くまでに近代的な街区を何度も横切る度に神戸の貧弱さを痛感することになった。
横浜元町の商店街は都会的で、これに比べれば神戸元町商店街は田舎の商店街であった。
しかし、ここで神戸人は一つだけ横浜に勝った部分を発見した。
中華街である。
横浜の中華街は神戸の中華街よりひどくごみごみしていて心地よいものではない。
神戸人はこれで精神の安定を保つことが出来たが、中国人の街がきれいだからどうするのかは考えないことにした。