夏休み利用して全国を自転車で回ってた去年のこと
稚内から始まった旅も半ばを過ぎ、その日は静岡県内を走っていた
とある田舎の駅前でバキュームカーのホースにハンドルを取られて転倒した
俺は、自転車の損傷を確認し、血が止まらない膝に応急処置すべく
駅前の車の陰になった部分に避難し、バッグの中の消毒液を探していた
そこで俺は、駅から出てきたDQN風の攻防たちが、こちらを見つつ携帯電話で
話していることに気付いた。「いまK原駅前に居るんだけど・・・いや、違う南のほう」「チャリに乗った椰子がよー」
などと、明らかに俺に言及している。だが、膝の痛みに気をとられていた俺は
彼らの数が段々と増え、自転車の通れる部分を彼らがブロックしているのに気付かなかった
膝の手当も必要だし、転倒時にデジカメに損傷がなかったか確かめる必要があったのだ。
そして十数分後、最初のDQN5人が先頭となり、彼らが距離を詰めてきた。
やっと気付いた俺は遅まきながら脱出を考え、自転車を起こしたが、膝が痛くまともに動けない。
携帯電話を持っていたdqNがおもむろに俺の自転車を蹴り倒し、
自転車に固定されていたバッグの中身が路上に飛び散る。
出発前に見た映画「ブラックホークダウン」のワンシーンが脳裏をよぎった。
↑ んで、どうした?
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86:04/01/01 23:44 ID:yLWd1fhF
スマン寝てますた
他のDQNたちが、飛び散った俺の荷物にたかって来た。
既に俺は脱出の望みは絶たれ、絶望的な状況にあったが、
DQNへの嫌悪感と異常事態による興奮からか、自分の腕っ節が弱いことも
忘れてそのDQNを押さえにかかった。「近寄るな、触るなぁーっ!」と叫びつつ
バッグに手をつけたDQNを突き飛ばす。小柄なDQNは吹っ飛んだが、
俺も携帯を持ったボスDQNに腹を蹴られ、さらに他のDQNにも、
戻ってきたその小型DQNにもボコボコにされた。
俺の荷物だが、自転車にすえつけた
バッグに洋服などの消耗品、背中のバッグには財布やデジカメが入っていた。
既にチャリのバッグはDQNに確保されつつあるが、背中のバッグには
彼らの注意は向いていないようであった。
俺はDQNたちがそのままバッグに気付かないことと、通行人が気付いて
助けてくれることを祈ったが、陰になった部分なので一向に人が気付く気配もない。
約30分後、DQNたちは自転車バッグの中身を道路に撒き散らし、
俺の防寒用のジャケットと寝袋、パンツなどの戦利品を山分けすると、
俺のチャリに乗って去っていった。
俺に残ったのは背中のバックパックと中の財布、全身の怪我だけだった。
バッグの中のデジカメも壊れていた。旅行の思い出の詰まったスマートメディアも死んでいた。
俺は脚を引きずりながら交番に駆け込み、被害届けとかさまざまな書類を書いて、
その日は現地の安ホテルに泊まることとなった。(ポケットの財布は持っていかれたが
こういう事態を想定して万札やカードはデイパックの中の別の財布に入れてあった)
その夜は熱と吐き気で寝ることが出来ず、夜中に2回吐いた。
次の日、新幹線で地元の病院に帰り、その日の午後に病院に行った。
全身に内出血があったほか肋骨の2箇所にヒビが入り、左腕の関節も
炎症を起こしていた。医者の話によるともう少し殴られていたら一生モノの
後遺症が残っただろう、とのことであった。1ヶ月の通院の後俺の怪我は
完治したが、自転車のことについては警察からも音沙汰なし。
あれ以来、自転車旅行はやってません