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列島縦断名無しさん:
一昨年の7月に母を連れて泊まった青森の浅虫温泉の夕日です。
母は数年前に骨のガンに冒され、足が不自由になりました。それ以前は
旅行が大好きで、自分の仕事の合間を縫って国内、海外と精力的に
自分で旅行していました。それが歩行困難になってまたこんな姿で
旅行なんて行けない」と落ち込む毎日でした。
母は「青森は小説で読んで一度どんな所か行ってみたいと
思ってたけど色々な旅行の行程で最後まで行けなかった」と言って
いたので、なんとか出来ないのかな?と色々考えていました。
ツアーではまず他の方に迷惑がかかるし、「時間にゆとりがないと」等
悩んでいました。
自宅から車で行ける伊豆箱根や千葉にはそこそこ連れて行ってましたが
こんなに遠い所大丈夫かな?と思いながらも、あと何年生きられるか
わからない母に何かしてあげたいと色々調べて飛行機とレンタカーで
やっと実現しました。
7月とはいえまだ梅雨の最中でどうなるかと思っていましたが、初日に
泊まった浅虫温泉の旅館は運の良い事に海に面した部屋の窓辺に
掘りごたつがあり、旅館の方も快くそこでの食事をセッティングして
下さいました。
お陰で海に沈む素晴らしい夕日を二人で眺めながら美味しい料理で
最高に感動的な旅行となりました。
翌日は竜飛崎を回り、海峡の向こうの北海道や大間崎、三大潮流まで
見る事が出来て最高でした。
その後、こういった旅行が沢山の方の親切で実現できることを知り、
母が行けなかった所を中心にもう6回もこんな旅行をしています。
母も「全部素晴らしいけど、やっぱり浅虫温泉の夕日が忘れられない。
だって全部駄目だとあきらめていた私が、生きられる最後まで頑張って
生きて行こうって心から思った忘れられない旅行だもの」と言っています。
他の方にとってはそれ程でも無い事でも、人の人生に大事なインパクトを
与えてくれる事が存在する物なのですね。
長文失礼しました。