JR北海道総合スレッド PART3

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<列車トイレ>「黄害問題」終結へ JR北海道も今年度中に(毎日新聞)


 走行中にトイレの汚物をまき散らす「黄害」列車が今春、北海道を除くJRの全路線から姿を消した。JR北海道も今年度中には、残った20両にトイレタンクの装着を終える予定で、半世紀に及んだ「黄害問題」は新世紀を迎えてようやく死語になろうとしている。

 戦前、戦後としばらくの間、国鉄(当時)の列車トイレは糞尿(ふんにょう)をそのまま軌道上に落下させる方式だった。しかし、走行中に落下、飛散した汚物が周辺住民や乗客らへの健康に与える影響が懸念され、1951年ごろから「黄害問題」として注目された。

 車両の床下に設けたタンクにためる方式のトイレが初登場したのは、東京オリンピックの開催に合わせ64年に開業された東海道新幹線だった。同じ年、国会ではこの問題が取り上げられ、厚生、運輸省(当時)と国鉄が「改善連絡会」を発足。翌年には鉄道事業者に汚物の適切な処理を義務付ける法改正も行われた。国労も保線要員が飛散物を浴びることから、この問題を重要闘争テーマに位置付けていた。

 しかし、ローカル線では車両の更新が進まず、タンクからくみ取った汚物の処理施設の建設に地元の同意が得られないことも重なって対策ははかどらなかった。97年でもJR6社で計約1400両の車両が垂れ流しを続けていた。

 同年12月、旧運輸省は00年度末までの期限付きでJR各社に「落下式」の廃止を通知。ようやくJR北海道を除いた5社が今春までに対応を完了した。残る北海道もワンマンカー20両に今年度末までにタンクを装着する。

 「黄害問題」の解決とともに、タンク式トイレの改良も進んでいる。現在は汚物を流す洗浄水をろ過して再利用する「循環式」が主流だが、JR東日本は97年に航空機にも利用されている「真空吸引式」トイレを導入した。洗浄水が少なくてすむうえ、洗浄水の循環で発生する不快なにおいも軽減できる。

 JR九州の特急列車「SONIC」号もこの方式のトイレを採用している。車イスでも利用できるようにスペースを広げたうえ、カラーアルミの内装を施し、列車トイレのイメージは大きく変わりつつある。 【河嶋浩司】