JR北海道総合スレッド PART2

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716北海道新聞6月2日
 宇都宮車両工場にとって、今やJR北海道は一番のお得意さまだ。今年はJR北海道向けに振り子式特
急気動車(283系)を計三十両納入する予定一昨年九月から始めた作業は大詰めを迎えており、五月末
には最初の五両編成を線路を使って北海道に送り出した。七月下旬まで完成車両を順次納入する予定
で、七月のダイヤ改正では札幌ト釧路を結ぶ昼の特急「おおぞら」六往復がすべて振り子式特急になる。
振り子式特急は自動制御で車体を傾け、遠心力と車体の揺れを抑えることで、カープでの高速走行を可
能にした最新鋭の気動車。道内では一九九四年二月に札幌―函館を結ぶ「スーパー北斗」(281系)が
登場したのを皮切りに、札幌―帯広、札幌―稚内などに導入され、地方への移動時間を大幅に短縮し
た。
 JR四国と富士重工業の共同開発で生まれた技術だが、近年はJR北海道向けがほとんど。「当初は雪
と氷に悩まされ続けた「(尾藤千秋鉄道技術課長)というように寒冷地でも振り子が作動する工夫が施さ
れ、283系にはS字カープが連続する札幌―釧路間に合わせ、車輪の方向が曲がる独自機能も付けた。
タンチョウをモチーフにしたシートやスキーも積める荷物置き場など北海道向けの味付けがなされている。
ただ、宇都宮車両工場にとって、近年は気動車の受注量が安定しないのが悩みや九一年度は百問以
上の受注があったが、ここ数年は三十両前後に落ち込み、昨年度は第三セクター鉄道向けの二両だけ。
本年度は三十二両の受注を確保したが、街風(つむじ)武雄常務は「JR各社も採算を考えると新規投資
に踏み切りにくく、第三セクターも新規路線が少ないだけに、更新需要に頼らざるを得ない」と話す。
古くは羽幌炭転鉄道のシールバスから(リゾート特急「トマム・サホロエクスプレス」、ブルー・トレイン「北
斗星」などを手掛けてきた字都宮車両工場。道内の鉄路を支える一方、現在は塵芥(じんかい)車やご
み処理施設など環境事業と車両事業を組み合わせ、工場の採算を維持している。


JR北海道向けの振り子式特急車両の生産が大詰めを迎えている富士重工業宇都宮車両工場