基金4・2億円、上積み検討 赤字続く阿佐東線
ttp://www.topics.or.jp/localNews/news/2012/01/2012_13277286834.html 第三セクターの阿佐海岸鉄道(海陽町)に出資している徳島、高知両県の関係自治体は、赤字経営が続く阿佐東線
(海陽町−高知県東洋町)の運行継続のため、鉄道経営安定基金の上積みを検討していることが分かった。基金の
上積みは初めて。上積み額は計約4億2千万円となる見通しで、各自治体は新年度予算案に盛り込む方針。
阿佐海岸鉄道は1992年3月の開業以来、年平均約5600万円の赤字が続いている。開業時に関係自治体が積み
立てた約5億円の基金は、赤字補填(ほてん)のために毎年取り崩し、本年度末には1500万円まで減るとみられる。
自治体関係者によると、出資割合は徳島県53%(約2億2千万円)、海陽町26%(約1億1千万円)、牟岐町0・4%
(約200万円)、美波町0・8%(約400万円)、高知県10%(約4200万円)、同県の11市町村が計10%程度(同)に
なる見込み。
阿佐東線の年間利用客は、沿線の人口減や高校統廃合、マイカー利用者の増加などで92年度の17万6893人を
ピークに減少。2010年度は3万8158人まで落ち込んでいる。
関係自治体は、経営改善と新規利用客の開拓が必要との観点から、JR北海道が開発中のDMV(デュアル・モード
・ビークル)の本格導入も視野に詰めの協議をしている。線路と道路を走行できる車両で価格や維持費が安いのが
メリット。2月10〜12日、阿佐東線とJR牟岐線で初めて乗客を乗せて実証走行する。
阿佐海岸鉄道社長の五軒家憲次海陽町長は「日本で最も短い路線だが、海部郡民にとって大事な足。運行継続へ
の出資は非常にありがたい」と話している。