この日は高崎線から「489系」と呼ばれるポンコツ車両が引退する日。
ホームの人だかりは、高崎線を走る「489系」電車の最後の姿を目に焼き付け、雄姿を撮影しようとする鉄道ファンだったのだ。
別れを惜しむファンは、車内にも多数乗っていた。特にラウンジ車両は朝のラッシュ時にも負けない満員状態だ。
何も知らずに乗ってきた一般の乗客。その目の前では、信じられないような異様な光景が繰り広げられていた。
ほとんどが男性のその集団は、大宮駅に到着すると「うおー!」という歓声を上げていた。そして、ドアが開くと同時に
一斉にホームへ駆けだして写真を撮り、また駆け足で車両に戻るという動きを繰り返す。車内を見渡すと、座席では
靴を脱いで立ち上がり、うれしそうにニヤニヤと車内を眺める少年の姿もある。隣に座った初老の女性は、少年が背負った
バックパックが何回もぶつかり、思わず顔をしかめているが、車内で大声を上げる集団は誰も少年をとがめようとしない。
そのうち、一般の乗客が乗ろうとすると、満員の車内から、甲高い叫び声が聞こえてきた。
「一般人は乗れませーん」「鉄ヲタ専用車両でーす」
途中、外国人とみられる親子が乗ってきたが、父親に抱かれた幼児は、あまりの騒音に泣き出してしまった。
何が何だか分からない様子の親子は、次の駅で慌てて下りる羽目に。
【社会】「一般人は乗れませーん!」「鉄ヲタ専用車両でーす!」 一般の乗客を邪魔者扱いする一部鉄道ファンの暴走★6
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