鉄道関係の記事・ニュース 統一スレ 第12報

このエントリーをはてなブックマークに追加
73名無しでGO!
 この日は京浜東北線から「209系」と呼ばれる通勤型車両が引退する日。ホームの人だかりは、京浜東北
線を走る「209系」電車の最後の姿を目に焼き付け、雄姿を撮影しようとする鉄道ファンだったのだ。別れを惜
しむファンは、車内にも多数乗っていた。特に先頭の車両は朝のラッシュ時にも負けない満員状態だ。何も知
らずに乗ってきた一般の乗客。その目の前では、信じられないような異様な光景が繰り広げられていた。
「一般人は乗れませーん」 響く声に周囲は…
 ほとんどが男性のその集団は、駅に到着するたびに「うおー!」という歓声を上げていた。そして、ドアが開く
と同時に一斉にホームへ駆けだして写真を撮り、また駆け足で車両に戻るという動きを繰り返す。車内を見渡
すと、座席では靴を脱いで立ち上がり、うれしそうに車内を眺める少年の姿もある。隣に座った初老の女性は、
少年が背負ったバックパックが何回もぶつかり、思わず顔をしかめているが、車内で大声を上げる集団は誰
も少年をとがめようとしない。
 そのうち、一般の乗客が乗ろうとすると、満員の車内から、甲高い叫び声が聞こえてきた。
 「一般人は乗れませーん」
 「鉄ヲタ専用車両でーす」
 途中、外国人とみられる親子が乗ってきたが、父親に抱かれた幼児は、あまりの騒音に泣き出してしまった。
何が何だか分からない様子の親子は、次の駅で慌てて下りる羽目に。
 午後6時13分。京浜東北線を走る最後の209系が終点の南浦和駅に到着する時間になったが、その列車
は定刻を過ぎても姿を現すことはなかった。やっと先頭車両に設置されたヘッドマークが見えてきたのは、予
定時刻を20分以上も過ぎたころ。一連の騒動でダイヤが乱れたとみられるが「まあ、こういう車両ですから」。
ホームで警備を行う駅員は、あきらめた口調でこうつぶやく。