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荻原:
◇なぜ誤った自白 解明訴え
「なぜ誤った自白がなされたかを解明しなければ、この事件は終わらない」弁護団の佐藤博史弁護士は記者会見でこう話した。再審では、虚偽の自白が引き出された経緯を明らかにするよう検察側に求めるという。DNA型の再鑑定では
、検察側と弁護側それぞれが推薦した鑑定人2人が同じ鑑定結果を出した。しかし、検察側はこの日に東京高裁に提出した意見書で、捜査当時の鑑定は誤りだったと指摘した弁護側の鑑定については「信用性に欠ける」と主張した。佐
藤弁護士は「検察は『当時のDNA型鑑定は正しかった。捜査も正しかった。自白したから有罪になったのは仕方がない。誰も悪くなかったんだ』と言いたいらしい」と検察側の態度を批判した。佐藤弁護士は「菅家さんは年金を納める
こともできず、生活の基盤を完全に奪われている」として、刑事補償法に基づく補償金の支払いを求める考えを示した。菅家さんの再審開始に向けて支援する日本弁護士連合会の宮崎誠会長は「検察官が再審開始を容認し、身柄を解
放したことは高く評価する。冤罪者でも容易に自白に至る現実を改めて明白にしたもので、取り調べの全面可視化の要求は一層強まったというべきだ」との対談を出した。