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荻原:
☆盧前韓国大統領 自殺か 資金疑惑、捜査終結へ
【ソウル=稲田清英】韓国の盧武鉉前大統領(62)が23日朝、釜山近郊の自宅近くで登頂中に転落、病院に運ばれたが、死亡した。警察当局が確認した。盧氏は家族あてに遺書を残していたといい、自殺の可能性が高い。
警察が詳しい経緯などを調べている。盧氏は大統領任期中の妻らの巨額の金銭授受疑惑にからんで検察当局から事情聴取を受けていた。韓国法務省は同日、「進行中の捜査は終了する見通し」と発表。真相究明は困難に
なった。捜査当局や韓国メディアの報道などによると盧氏は早朝、警護担当者1人と自宅近くの山に登り、斜面を転落した。頭部に大けがを負い、午前9時半に死亡が確認された。大統領在任中に秘書室長を務めた側近は会
見で、盧氏は岩の上から自ら飛び降り、家族あてに短い遺書を残していた、と明らかにした。韓国メディアは盧氏が遺書で、「ひどく苦しかった。恨まないでほしい」などと心境をつづっていたと報じた。李明博大統領は同日、「信
じがたい。実に惜しく悲しい事だ」と哀悼の意を表した。不正資金疑惑の渦中にあった前大統領の自殺の可能性がある突然の死。韓国テレビ各局は特別番組で集中的に報道している。韓国社会にも衝撃が広がっている。盧氏
は80年代に人権派弁護士として活躍。その後政治家に転身し、古い政治体質からの決別などを訴えて02年の大統領で当選。03年から08年まで大統領を務めた。権威主義の打破などに一定の成果をあげたが、外交面では歴
史認識や北朝鮮問題をめぐり日米と摩擦も表面化した。南北関係では前政権の「太陽政策」を受け継ぎ、07年には北朝鮮の金正日総書記と平壌で会談した。米韓自由貿易協定(FTA)なども推進した。しかし、退任後、大統領
在任中に盧氏の妻らが有力支援者から計600万ドル(約5億6千万円)を超える金品を受け取っていたとの疑惑が浮上。4月末には包括収賄容疑の被疑者として最高検から事情聴取を受けた。盧氏は容疑を否認。最高検が来週
にも最終判断する見通しになっていた。