JR側からしたら、帰省客に利用されるのは嫌だろうな。
なぜなら、帰省客ならそもそも値引きしなくても新幹線を利用してくれたであろうに、
帰省客までもが三連休パスや土日きっぷを使ってしまうと損することになる。
乗り放題きっぷがターゲットとしている客層とは、そのきっぷが存在しなければ電車そのものに乗ってくれない層だろう。
故郷への帰省など、安売りしなくても利用してくれる人のためのものじゃない。
だいたい、客が座れなくてもJRは困らないしね。
例えば、東京から山形まで往復しかしない人が土日きっぷを使ったとしよう。
正規料金に比べて安くなるのは2割程度。この程度の割引では、このようなきっぷがあるから旅行するというより、
そもそも旅行をする計画があって、たまたま安いきっぷがあったから利用したという使われ方が多いと思うんだ。
つまり、JRとしては安売りしなくてもJRを利用してくれた可能性が比較的高い。
よって、土日きっぷのせいで損をしていることになる。
一方、朝から晩まで電車に乗りまくりで正規料金に換算したら5万も6万円もかかるところを、土日きっぷを使ったとしよう。
この場合、もし正規料金だったら乗りまくるかと言えば、よほどのヲタを除いてほとんどの人がそんなことはしないだろう。
つまり、土日きっぷがなければそもそも電車を利用しなかったであろう人から1万8千円を巻き上げたワケだ。
(もちろん、たくさん乗られれば乗られるほど利益は薄くなるけど損してるワケじゃないだろ)
この2者で比較した場合、JRにとってありがたいのはどちらの客だろう?
乗りまくりの客の方がありがたいのではないだろうか。
もちろん、土日きっぷ使わずに正規料金で利用してくれた方がありがたいだろうが、
チマチマ利用されるくらいなら乗りまくられた方がスッキリするよな。
もう少し例え話をすると、マックのクーポン。
定価で2000円分買って、そのうちの1個だけ50円引きのクーポンを使った人がいたとしよう。
この人は、そもそもクーポンがなくても、おそらく2000円分買ってくれたであろうが、クーポンのせいで50円売り上げが落ちた。
一方、クーポンで割引になっている商品だけを2000円分買った客がいるとしよう。
おそらくこの客は、クーポンがなければそもそも来店しなかった可能性が高い。
つまり、クーポンのおかげで(利幅は小さくなったが)2000円の売り上げUPを果たしたワケだ。
両者は同じように2000円を店に落としてくれた客だが、経営者サイドから見ればクーポン発行の甲斐があったと思うのは後者の方だろう。