◇◆◇DQN撮り鉄(関東編・その3)◇◆◇

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57名無しでGO!
5人の命を奪った営団地下鉄日比谷線の脱線衝突事故から8日で1年。
亡くなった高校生、富久信介さん(当時17歳)の青春をつづったノンフ
ィクション「17歳のテンカウント」がこのほど出版された。富久さんの
父親の友人、立川正憲さん(54)が事故の後、富久さんの同級生やボ
クシングジムの仲間、家族らにインタビューし、17歳の少年の素顔に
迫った。富久さんの早過ぎる死は、今もなお遺族や友人たちの心に深い
傷を残したままだ。
 富久さんは事故当時、進学校に通いながらも受験一辺倒の人生を嫌い、
プロボクサーを目指していた。負けず嫌いで、ひたむきに努力した。そ
んな富久さんの生き方には、多くの友人たちが触発されていた。
 富久さんの葬儀の日、同級生が弔辞を読んだ。「あの日、あれ(列車)
が前から突っ込んできたのなら、お前は得意の右ストレートやハンドオ
フで切り抜けていたと思う。後ろからは反則だよな、富久」
 泣きじゃくる同級生らの姿を見つめて、富久さんの父親は立川さんに
繰り返し言った。「親には見せなかった、家の外での息子の姿を知りたい」。
立川さんが本の執筆を決意したのは、この時だ。
 友人の早すぎる死について中学、高校の同級生やボクシング仲間ら41
人の若者が、立川さんに心のうちを誠実に語ってくれた。友人のこと。自
分自身のこと。だからこの本は、富久さんを描いたものであると同時に、
41人の青春ドキュメントでもある。