機芸出版社スレッド8 鉄道模型雑誌について語ろう

このエントリーをはてなブックマークに追加
307名無しでGO!
「“VIOLAの前にVIOLAなく、ヴィオラの後にヴィオラなし”」 とまで感嘆の声を上げ
せしめたこの作品は、Oゲージの提唱者湯山一郎氏の傑作としてご承知の方も多いと思
います。」 (TMS NO.9 −1948年9月号― より)
ずいぶん前のことになります。名作回顧としてTMSにこの記事があったのは。 その
頃すでに回顧録だったのです。
308名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:37:55 ID:F1Ru5ED50
「原形を英国L・N・E・Rの蒸汽動車に求め、プルマンカーの豪華さを兼備した7ミリスケ
ールの自由形レールカーですが、室内装飾及び全体の色彩美に重きを置いた作者の意図
からしても形態的にやや単調であるのはむしろ当然であり、この作品の生命はあくまで
それ自体が発散する不思議な美しきにあるのです。」
309名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:38:44 ID:F1Ru5ED50
 そのVIOLAです、いま目の前にあるのは。 本当です、この不思議な美しさは。
モデルのロマンティシズムと申しましょうか、お堅い精密モデルの流行の中、眺めている
と夢みるようなほのぼのとしたムードに酔ってしまうのは私だけでしようか。
記事はさらに続きます。
310名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:39:51 ID:hpWiINed0
「さて室内をのぞくと床は立派な繊雀張り、可愛い花模様のソ
ファが1つ2つ・・・クリーム色のカーテンをテープルに映し花瓶に生けた花までもあり
ます。 ・・・濃いセビア色に光った内板は窓にたれ下がった淡いピケのカーテンの影を
宿し(夜は室内灯のやわらかい光を反射します。窓辺による麗人もそっと己が姿をうつし
ていたかもしれません。」 (これ、若かりし日の奥様だっただろうと勝手に推察しており
ます―失礼!) ―
311名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:40:38 ID:hpWiINed0
 VIOLAはながいこと眠りについていました。往年の美しい室内は壊れ、ガランドウ
の車体だけ湯山さんのご自宅の本棚に鎮座していたのを見るにつけ、いつかは復活して欲
しいとそればかり願っていました。この度、それが復活したのです。
312名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:46:29 ID:F1Ru5ED50
復活したVIOLAは以前とかわらぬソフトム‐ド、ロマンただようインテリア。
運転席と客室の仕切りは取り払われ、展望車のごとき明るきになりました。やわらかそう
な花柄のソファーは昔の面影そのままで張り替えられて、たしか昔はなかったと思われる
ビアノが置いてあります。
313名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:46:58 ID:F1Ru5ED50
ビアノの名手である湯出さんならではのことでしょう。お好き
なシューベルトの名曲でも間えてくるような気がします。 ピアノの上の壁に飾られた額。
これは今は亡き妹君の肖像画だそうです。
314名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:47:44 ID:hpWiINed0
車体の外装は殆ど手をつけず、昔のまま。塗装はさすがに60余年の歳月を経てやや痛んで
おりますが、この美しい紫色。 昔、或る塗装屋の名人を日説いてこの微妙な色合いを作
らせて塗らせたものだそうです。こんな微妙な色を出せる職人が今の世にいるかどうか。
 で、塗り替えてないのだそうです。
315名無しでGO!:2005/11/27(日) 20:51:33 ID:hpWiINed0
外観上日につくのは台車です。 以前は少々変わった形のプレートフレームの台車でした
が、現在はリバロッシ製の客車のような台車。そのため全体のイメージが近代化し、個性
が少し薄れたようにも恩います。時代とともにやむを得ないのでしょうか。それでもタイ
ヤの外側があぎやかな純白、これは昔の姿を紡併させてくれます。
まあ、余計な説明より表紙と口絵のカラー写真でとくとご覧ください。 (篠塚英夫)