信号・標識・保安設備について語るスレ2

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864ATSヲタ ◆ATSPnUuZR2
>>740 の安全装置(保安装置)と、制御の「そもそも論」を、もっと文章モードで表現すれば、
「オペレータは意識せず時にお猿になることがあるが、その場合でも致命的事態にしない安
全装置が必要である。その安全装置の管理値は単純なものほど良く、ナントかの一つ覚えで
追い掛ければ事故が避けられる特性値が最良である」ということになります。

 衝突防止の管理値は前列車との距離ですが、確実な再現性の点から、閉塞の入口を代用特
性に選んで確実性を確保。警報受信点からの走行距離は、現在の技術なら速度計パルスを計
数すれば簡単に分かりますが、1966年時点ですとまだ真空管全盛で、パルスカウンターは
10kpps程度が計測限界の「デカトロン(放電計数管)」が主流の時代、技術的に実現の可能性
のある方法としては、アナログの積分器で速度を積分して距離を算出する方法が考えられま
した。いわゆるシミュレータ(アナログ・コンピュータ)方式で、これはドイツ製ロケットミ
サイルV2号に採用されてロンドンの街を襲撃。あと半年V2の開発が早かったらヨーロッ
パ戦線の様相は全く変わっていたと言われるほどの戦果を挙げました。その前のジェットミ
サイルV1号では発見して一部は迎撃でき、ジェットエンジン音で空襲警報を発令できまし
たし、エンジン音が聞こえてる間は安全とさえ言われましたが、V2号ではロンドンの市街
が空襲警報なしに昼夜分かたず突然正確に爆撃され続けるのですからパニック寸前。
 アナログ・シミュレータは列車の停止位置管理程度には充分使える演算精度がありました。
ただ、長時間停止されるとドリフトで狂っていく訳で、安全装置としてはOKだけど、停止
後の不安定性が危惧されたのか、ATSへの採用実験の話は聞きません(実際には研究して
た人が居るかも知れないのです。物理屋・解析屋はナチスだけでなく日本にも居ますから)。