798 :
◆CByzlSeA0w :
http://www.hm4.aitai.ne.jp/~hidekih/chubu/04.html 白井:さっき言った蒸気機関車技術論争へ引っかかってくるんだけどねえ、
島さんは上手にドイツ、アメリカの鉄道技術を導入なさってきた、で新幹線は別だけど、
まあ、あの方の一番主な時代は蒸気機関車でありますのでね、いろんなものでね、
その、アメリカから技術導入してきたけどもね、そのことをあまり外へ言わなかったっていう面もあるんです。
子分どもをみんな抑えちゃってね。まあ、それはもっとも特許の問題もあるもんだからね、まねしたら特許料を払えと。
あと、島さんではないが、島さんの設計された代表的なD51というものは
欧米、ドイツ、アメリカの技術の良いところを集めて、少しレベルを下げて、
レベルが低い低いって悪く言うけど、日本の技術レベルが低かったんだから、
それは正解なんですよね。
欧米並みの設計をしたら、要するに、DD54が日本で使い切れなかったのと同じように使えないですよ。
だから日本並みに程度を下げて、大きさとか出力とかいろんなものを最大限にしない、程々でやったのがD51で、
だから保守もやり良いし、評判も良かった。その意味では名設計だと。
それをやった島さんは偉いと、こういうことになるんだが、もう一つ間違っちゃうと、その、D51は世界一級の機関車だと、
そう言っちゃうとそれはまあとんでもない間違いで、まあ、簡単には世界二級の機関車だと。
799 :
◆CByzlSeA0w :04/05/21 22:34 ID:4Pppticq
それは高田さんが良く言われた、もっと二流国のチェコとかね、ポーランドとかでも、戦前150Km/hくらいで走っておるのね。
蒸気機関車はね。日本は最高で走っても95Km/h。あじあ号を使っても120Km/hがせいぜいのもんで、
やっぱりああいう大きい機関車の中ではあじあ号というのは一段等級が下がると言ってみえたね。高田さんは。
それは大体材料がドイツのクルック並の材料ができないということ、工作もレベルが劣る。
だからやっと車輪径を2mにして、やったと。もう一つは、2m動輪のパシナが全日本で満鉄で12両しか無かったわけね。
ところがドイツの0103なんてのはね、もう何百両とあるわけ。全然桁が違う訳ね、やっぱり。
橋本:要するに工作機械の技術や材料の技術など周辺の要素技術の差が大きかったわけですね。
白井:全てが一段下だったから。それに合うようなD51は立派な設計であったと。
かと言うと、D51は世界一流かというと、世界二流であると。いうことなんだよな。
その意味ではなかなか島さんは立派な見識で対応されたと。
800 :
◆CByzlSeA0w :04/05/21 22:42 ID:4Pppticq
白井:だから日本だと割合、当時、国鉄の人の話を聞くことが多かったんですが、
国鉄の人の話はおおむね閉鎖的で、日本で一番だとか、一番早いとか、古いとか、
高田さんはすごい公平な眼を持っていて、私の方も公平な眼を養うことが出来た。
具体的に言うと、例えば日本のディーゼル機関車は世界一悪いんだけども、
例えばDD13なんていうのも世界では全然通用しないと。
言われてみればそうだなあと思うんだけど日本にいると分からない、
あれはあれでまあまあの機関車だなあと思っちゃうんですね。全然そんなことはない。
801 :
◆CByzlSeA0w :04/05/21 22:42 ID:4Pppticq
それから、蒸気機関車の関係で非常に、あれは鉄道ジャーナルで非常に議論があって、
日本の蒸気機関車は立派に出来ておるけども、性能的とか、スケール的には世界一級のものではないよと、
やっぱり狭軌鉄道のそれなりのものだと。いうことで、国鉄のOBの人がね、
そんなことはないと頑張って言うと、ことごとく反論されちゃって、みんな間違いですよってやられちゃって、
それは高田先生ではなかったですけどね。高田先生はそういうようなことはおやりにはならなかったですね。
高田先生はね、人格的にね、大変よくできた方でね、そういう面で教わることが多かったし、
それから、タイ国からSLを持ってくるときは実は全て高田さんの情報で、
高田さんの交渉で持ってきたんですね。そんなことでまあ、非常によくお付き合いをさせて頂いたと。
日本ではねえ、これも亡くなっちゃったけど、名工大の先輩のトヨタの大野副社長(故・大野耐一氏)ね、
看板方式をおやりになって、独自のものを展開したんだけど、
トヨタがえらいとは全然おっしゃらなかったんですね。
どういうことを言っておられるかというと、今のトヨタの車っていうのは、
根本は100%アメリカに教えてもらったと。しかもとても親切、丁寧に教えてくれたと。
そのおかげで今日があると。そのことを今後の後輩は忘れて天狗になってはだめだぞと。
こういうことを言われた。今のトヨタでもそういう人はいないんですね。