中尾一樹の見解3
事の発端は東北新幹線の八戸延長に伴い、青函トンネルを通る
普通列車が全廃されてしまうという情報が流れた2001年秋まで
さかのぼります。この情報をもとに、JR・沿線自治体などに対し
要請行動を行う市民団体「津軽海峡線『石勝線特例』導入期成同盟
(略称:海峡同盟)」を▼急遽結成▼しました。
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200110131900000000001628000 「石勝線特例」とは、同様に普通列車がまったく運行されていない
石勝線・楓〜新得間に適用されている特例で、この区間内に限り
特急列車に乗車券のみで乗車することを認めており、1980年に
当時の国鉄北海道総局が制定した特例です。1982年には問題の
「青春18きっぷ」が登場し、現在もこの特例が準用されております。
中尾一樹の見解4
この「石勝線特例」を青函トンネル区間にも導入することを目的に
結成したのが「海峡同盟」であり、青函トンネル区間(津軽海峡線・
蟹田〜木古内間)を擁する道・県や市町村に対する陳情活動を
行いましたが、元来が「裏ワザ」に近い特例ということもあり、我々
海峡同盟の言いたいことがまったく伝わらず、何度となく現地まで
説明に出向きましたが、某県に至ってはトンチンカンな回答に
終始したのみでした(県回答の詳細は私宛に別途お尋ね下さい)
活動期間中、地元雑誌「道新TODAY」などに偏向して取り上げ
られたのが唯一の例で、それ以外ではマスコミの話題に上ることも
無く(勿論、地元紙・支局向けにプレスリリースは送っておりました)
時間だけが、ただ刻々と過ぎてゆきました。
中尾一樹の見解7
海峡線特例はあくまでも「蟹田〜木古内」のみに適用されるため、
青森〜函館をノンストップで走る「はまなす」は特例の対象外です。
#蟹田〜木古内に停車する「スーパー白鳥」「白鳥」のみが対象です。
夜行列車である「はまなす」に急行券なしで乗車できる唯一のきっぷが
「北海道・東日本パス」であり、事実上これを使わないと渡道が困難な
状況になっています。
今回の投書内容を拝読するに、青森駅ホームの駅員は「青春18きっぷ」
と「北海道・東日本パス」とを勘違いして案内してしまった
ものと思われます(JRにクレームを言えば4200円は戻ってきます)
中尾一樹の見解8
実は、この手のトラブルは(嘆かわしいことに)恒例化してまして、
関西では青春18きっぷで「ムーンライト高知」等の「グリーン車」に
「乗っていいよ」と誤案内するケースがあとを絶ちません。
(青春18きっぷでは寝台車・グリーン車の利用はできません)
さすがに「駅員を信頼するな」とは書けませんので、読者やホーム
ページ利用者への対処に苦労しております。
一番簡単な対処方法は「はまなす」を始めとする夜行「急行」列車を
全て夜行「快速」列車に格下げすることです。こうするとJRが減収に
なるのでは?と毎回聞かれますが、そんなことはありません。
中尾一樹の見解9(終)
「はまなす」の場合、列車編成が寝台車・指定席車・自由席車の3種類で
構成されていますが、一般のお客様が最も多く利用する「指定席車」を
グリーン車に格上げすれば、現状と同等の料金収入になるのみならず
「青春18きっぷ」での利用者と分離できますので減収が発生することは
ありえません。また「はまなす」の指定席車はグリーン車のイスに交換
されているため(設備的にも)格上げしても元の等級に戻るだけです。
さらにJR東日本では「急行」アルプスを「快速」ムーンライト信州に
格下げしたところ、以前よりも需要が伸びたようであり、なんと
増発列車まで運行される日があります。
もし機会があれば北海道のみならず「青春18きっぷ」利用者が
おかれている現状について、是非ご取材を賜りたく存じます。
取り急ぎお願いまで。
追伸:本メールの「声」欄掲載も歓迎致します。(署名は略しました)
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