種村直樹レイルウェイ・ライタースレッド

我が家の愛犬は、散歩に出かける前に化粧直しをしている私の後ろで、「ふ〜ゥ」とため息をつき、待っている。

息子のパンツを買った帰りの電車で、同じ柄のワイシャツを着ている人を見た。家に戻ると主人が、「これ、もらったんだ」とニコニコしながら、同じ柄のハンカチで汗をふいていた。

家族みんなで墓参りに行った。先祖代々の墓石の脇にきざんであった建立者の名を見て、小学３年生の三男は、「へー、この人がここに入っているのか」と、建立者である祖父母に話しかけていた。

９２歳の元気印の母が、うだるような暑さに思わずもらした。「ワタシ、なんだか長生きできないみたい……」

生徒が書いてきた夏休みのアルバイト届の「目的」の欄に、「親の借金を返す」とあった。この不況の時代、親御さんも大変だが、それを助けようとする子供も立派なものだ、と感心して話を聞いてみたら、「親に借金を返す」の書き間違いだった。

お盆休みに関節を痛めて、近所の整骨院に。遠目に見たところ、カーテンが下りていて、どうもお休みらしい。それでも入り口まで行ってみたら、ドアにかかっていた札に「骨休み」と書いてあった。