岩手ローカル線フォーラム2003

　　　　　　　　　　　　　　　　　　通学向けに新駅設置
　　　　　　　　　　　　　　　　−JR山田線活性化で計画−
　　　　　　　　　　　　　　　　 〜快速列車の試験運転も〜

　東日本旅客鉄道（ＪＲ東日本）盛岡支社は、盛岡と沿岸部の宮古方面を結ぶ山田線＝写真＝の再
活性化に乗り出す。通学客などの利用が見込める盛岡市内での新駅設置と、観光・ビジネス客向
けの盛岡−宮古間ノンストップ快速列車の運転が柱。国士交通省の「公共交通活性化総合プログラ
ム」の一環として調査費を取得した。

　計画では新駅は盛岡‐上米内（盛岡市）間九・九キロメートルに四カ所を設置。同区間の途中駅
は現在の二駅から三倍に増え利便性は格段に向上する。新駅と郊外住宅地をバス
で結ぶことで道路渋滞を軽減する効果も期待できるという。新駅は「岩大植物園前」
「白百合学園通り」（いずれも仮称）など学校施設近くに設置を想定。一両編成が止まれる
簡易構造とし、建設費用は一駅当たり九百万円程度と試算している。新駅開設にあわせ、盛岡−上
米内間で一日六往復しかない列車の増発や、盛岡市中心部近くの立体交差化も検討。実現に向け市
などにも協力を求める。

　ノンストップ列車は快速で約二時間、各駅停車で一時間半かかっている盛岡−宮古間を一時間五
十五分で結ぶ計画。盛岡で東北新幹線「はやて」に乗り換えれば、朝八時に宮古を出て十二時過ぎ
に東京に到着。五時間余り滞在してその日のうちに宮古に帰るダイヤが設定できる。来年度以降、
時期を限定した試験運行も検討する。

　盛岡‐宮古間の公共交通は現在、直通の急行バスが主力だが「ダイヤ設定次第で、大量輸送機関
の座を取り戻せる」（ＪＲ東日本盛岡支社）と見ている。

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以上、６月１４日付日本経済新聞東北地域面より抜粋