>>893 >>902 >>905 レスありがとうございます。
実はこの問題は
>>905さんの言う様に製作サイドとしての観点から
非常に興味を抱いたので調べ始めました。一応法律家にも
(あくまで雑談として)質問してみたので、その返事も
聞け次第レスする事にします。
非常に超長文になってしまうのですが、以下に漏れの考えをまとめました。
間違いや抜け落ちなど指摘もお待ちしてます。
【
>>231に対するギコらの考え】
一部重複する書き込みになるが、知的財産権について細かい検証をしたいと思う。
まず、よく引き合いに出される著作権という言葉。
誤解・誤用が多いのだが、現在著作権法で著作権とは
「思想または感情を創造的に表現したもの、
文芸、学術、美術または音楽の範疇に属するもの」と記されている。
この法律は著作物が発生した時点より50年の間、無登録で
著作物にまつわる諸権利を作者が所有できるという法律である。
例えばメロディーのようなものは著作権法上「音楽」に該当するため
無断でソフトにデータとして収める事は違法に当たる。
しかしながら、一般的な工業品は著作物としては対象外であり、
この話題で該当する鉄道車両は、思想または感情等を創造的、独創的に
表現したものでもなく、また彫刻でも建築でも模型でも写真でもない。
判例の中には例えば芸術家によってペインティングされたバスなどが著作物として
認知されているケースはあるが、例外であり一般的な例とはいえない。
従って、鉄道車両は著作権法上の著作物には当たらない。
【続き】
次に、工業品の形状に関しては意匠法が議論されうる。
意匠法での意匠とは
「美感・新規性・創作性のある物品の形状・模様・色彩に関するデザイン」
とある。この法律は書類登録制で、公開された時点より15年の間、
工業品の意匠に関して登録者が排他的に使用できるという法律である。
これを意匠権と呼んでいる。漏れが調べた限りでは
現行意匠法上、保護対象となるのは意匠物品そのもの
あるいは物品の一部分(部分意匠)、そのものだけらしい。
つまり類似品にしか排他的な権利は行使できないという事である。
また、意匠登録に関しても類似のものが先願されていた場合、
あるいはオリジナリティーに欠ける場合には登録を拒絶される場合がある。
これらを考えると、その意匠構成が一般性を持っていて
しかも多くが車輌会社によって決定される鉄道車両というものを、
全体(部品でなく)として意匠登録する事自体が困難で、
鉄道企業にとってあまり利点のない行為とも言える。
加えて意匠登録を仮にしてたとして、異種商品には何の効力も持たない。
従って、この場合は意匠法上の保護対象外といえる。
912 :
名無しでGO!:02/02/14 06:56 ID:t8Z/8YfS
そろそろ、PART10でも建てた方がいいのでは?
まずは、鉄道員の勤務についての質問です。
1.24時間勤務ですが、どのようなシフトが組まれているのですか?
2.駅務掛や乗務員でも勤務時間終了後に、上司・同僚と飲み会はあるのですか?
続いて領収書の質問ですが、乗車券・特急券等の購入の際に、手書きでは無く
有人窓口にあるレジ(JRの場合)でレシートは貰えるのですか?
913 :
名無しでGO!:02/02/14 07:00 ID:xdnMSKjO
素人ですが、質問です。
何故アムトラックの客車の電源が頻繁に停電するのでしょうか?
というか地下鉄でもよく経験するし。ロンドンでも経験しました。
日本の鉄道では経験したことありません。
914 :
ギコら ◆KanBANII :02/02/14 07:19 ID:6Tf2aA02
【911の続き】
次に登録商標について。現在商標法での商標とは
「商品マークとサービスマークに関しての文字、図形、記号や
これらの組み合わせ、または色彩との組み合わせ」
とある。この法律は書類登録制で、公開された時点より20年間、
更新すれば半永久的に、その商標を登録者が排他的に使用できる法律である。
登録は各ジャンルに分け別々に、文字単独もしくは図形と一緒に登録・公開される。
また、この権利は割と強い影響力を持っていて、
類似した商標というだけでも類似商品・サービスに
使用することを権利侵害としている。
この話題で該当するとしたらゲームの例で各種ロゴマークとタイトル、
キャラグッズの例では名称がそれぞれ該当する。
会社名等は事前にほぼ全ジャンルにわたり登録されるケースが多く
単独使用はもちろん、類似使用も危ない。
使用される文脈というのもあるので、目立った商用利用以外
目くじら立てられる事も少ないのかもしれない。
ただ無許諾なら商品の中に他社のロゴを入れるというのは極めて危険といえる。
915 :
ギコら ◆KanBANII :02/02/14 07:24 ID:6Tf2aA02
【続き】
サービス名等で言うと「新幹線」が各類においてJR三社共同で、
「ワイドビューひだ/南紀」が39類「旅客車による輸送」において
JR東海の申請で登録されている。 また「SHINKANSEN Series 700」
というシンボルマークなども登録されている。加えて、JR東海は
「新幹線(図)」という名で300系のイラストも商標登録している。
後者のワイドビューと700系のロゴはやはり使用しないでおく
ことが望ましいとは言える。で、前者の新幹線なのだが事情はちょっと複雑で
JR以前に、28類「遊戯用器具他 玩具類(略)」において「株式会社トミー」が
新幹線という商標を出願している。これが登録されると「新幹線」という名の
玩具類は出せず、また類似商標もグレーゾーンにかかる可能性もある。
したがって、現にサンリオはこのキャラクターの名称を英文字とし、
「SHINKANSEN」の名で各類において申請、法律的な回避をしている。
また、9類「機械器具,家庭用テレビゲーム,等 」での新幹線の申請はないので
ゲームに関しては逆に、予定タイトルとともに「新幹線」を申請する事も可能である。
916 :
ギコら ◆KanBANII :02/02/14 07:32 ID:6Tf2aA02
【続き】
最後に、「肖像権」「パブリシティー権」「商品化権」といった言葉に触れる。
そもそもこれらは現在法律で明文化されていない権利で、
法律的には人格価値を保護する人権の延長線上に、判例を前提として解釈されていた。
したがってこれらの権利は人物・人権たりえない限りは成立しないと考えられてた。
しかし近年、この権利の中でも後者の商品化権に関してより押し広げた
考え方がされるようになり、特に顧客吸引力を有する「物一般」についての
「パブリシティ権」を認めた判例も出るようになったために議論を呼んでいる。
競走馬のパブリシティー権を認めたこの判例(平成12年)ではパブリシティー権を
所有権に「付随」する商品化権利としている。
商品化権と言うと著作権に包括される権利と混同するケースがみられるが、
これは著作権が存在しなくても存在する「物」の所有と関連した権利とされる。
だが、明文化されておらず、公示不明瞭なこの権利を法律的に事前に慮る事は難しい。
鉄道車両の商品化にとって最大のネックはおそらくこの問題である。
917 :
ギコら ◆KanBANII :02/02/14 07:33 ID:6Tf2aA02
【最後】
以上法律をざっと調べてみたのだが、明文化されているものに関して言えば
商標の扱いさえ間違えなければ鉄道車両の商品化に違法性はないといえる。
しかしながら「パブリシティー権」を認める判例がある以上、そう断言できない
というのが現状だ。すくなくとも鉄道車両の商品化には顧客吸引力を目的とした
意図があり、その権利を鉄道会社が有している可能性が高い。
しかし「パブリシティー権」は明文化されていない故に判断基準に欠け、
また、逆用されかねない権利でもある。
これはギコらの私見だが、「パブリシティー権」は今後の社会で大きな中心軸となり得る
権利と考えられる。これに関して一刻も早い法制化をしないとより一層の混乱を招く
恐れがあると考える。
【ギコらの結論】
鉄道会社から訴えられる危険を伴う諸刃の剣。素人にはお勧めできない。