鉄道と航空の協調について議論しよう

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437首都圏一極集中推進委員会(会長) ◆UWWDp/sY22
 よく「整備新幹線は地方のエゴだ」なる言われ方をされるのですが、実はそうとばかりも言えません。
なぜなら首都圏などの大都市圏には、「空港の発着枠が足りない(航空インフラの貧弱さ)」という解決不可能な(と言って良い)問題があるからです。
 好むと好まざるとに関わらず、今の日本経済を支えているのは東京を初めとする大都市圏ですが、例えば関東平野の人口は九州島のそれを越えているのに、
民間空港は2つしかない。航空需要はGDPを越える勢いで伸びるものなので、後10年もすれば羽田も成田もパンクしますが、
第3空港の建設は計画すら立っていません。このままでは日本は文字通り「アジアの孤島」になってしまい、経済は大打撃です。
 航空インフラに不備があるのなら、新空港建設によって根本的な対策を打つのが筋ではありますが、
残念ながら現在の日本の現状では無理な話です。というのも、例えば3千m級滑走路を一本持つ空港を作るためには、
2kmX5kmの用地が必要ですが、平均的な市街地ではこの面積に3万から5万人住んでいるわけで、
この日本ではとんでもなく広い敷地です。大都市圏の近辺でこれほどの未開の土地を探すことなど事実上不可能なわけで、
実際問題として海上空港以外の選択肢はありません。
しかし、羽田の沖合展開でさえ1兆円の資金がかかったことを考えると、最低3,4兆円は必要(半分は公費負担)で、
船舶の航行上、もはや東京湾内には立地場所がないこと、
千葉県も東京都も自分たちの都合から首都圏第3空港の建設に消極的であること等を考えると、
羽田空港の離着陸能力の限界に達すると見られる2010年ごろまでに、新しい空港ができる可能性は殆どないのが現状です。
438首都圏一極集中推進委員会(会長) ◆UWWDp/sY22 :2006/06/24(土) 13:11:27 ID:6mogV8RH0
航空インフラの不備については発着枠の問題だけでなく、米軍に空域のほとんどを取られていること、
アジアの航空需要の増大による、航空路の過密化などの問題もあります。
米軍の完全撤退など望めない以上、航空インフラの増強にも限界が見えてくるわけです。
一方で、国際線の需要を抑えるわけには行かない以上、国内輸送については航空以外の輸送チャンネルをに振り分け、
なるべく空きを確保しておく必要があります。
しかし、だからといって首都圏が札幌ほどの大都市を切り捨てるオプションをとることも現実的ではありません。

整備新幹線への投資は、こうした観点から見て極めて有効なものです。
現在の技術水準でも、最高時速350km/h(表定速度280km/h)での営業運転が可能であることを考えると、
東京−札幌の都心を3時間40分程度で結ぶことも不可能ではありません。
ダイヤ上の制約によってこれより遅くなるとしても、4時間弱の所要時間程度で済みます。
これは、現在の東京−広島間の条件とほぼ同じであり、
その実績から考えて鉄道のシェアは60%程度、約800万の航空旅客の転移が望めます。