>>823 書きましょうか?
まだ代行の後乗り新人だった頃、市中のコンビニに、隣町大手の代行会社の運転
する客車がモロ突っ込んだ。突っ込んだ理由はわからない。コンビニ店舗は車が
突っ込んで大きく壊れている。物損事故でおわったようだが営業補償など数千万に及んだ事故だった。
それから1年後私はこの隣町大手の代行会社に勤務する事になった。
よく一緒に乗務した前乗りさんは60前後で代行歴5年程度。深夜2時をすぎると
右寄り運転になる癖があった。時々信号無視をしそうになる。門柱などがある
邸宅進入時左後輪が縁石を乗る車癖が気になっていた。
しばらくしてこのセットは固定されることになった。私もこの前乗りさんも
短距離代行が得意で、1時間10分程の間に1本2km程度の代行を5本やったことがあ
る。もちろん終了地が店に近いオーダーを本部がして来たこともあったからだが。
しかしこの固定の意味には裏の意味があった事が後になってわかった。
研修上がりの新人前乗りドライバーをまず私と組ませるのが慣例となって
いた私に固定化させた別の理由とは・・。
この前乗りドライバーが、そのコンビニに客車を突っ込ませたドライバーだったのだ。
彼も代行が早い。他の平均的ドライバーより1.5本程度多い。
他のドライバーが同時間で12本こなすなら私と彼とセットになると13本から
14本はこなすのだ。
しかし彼には時として大きく気を抜く習性があり、表には出さないが感情の
起伏が大きい人間だったのだ。一見物腰は柔らかく無線の声も小さい。
しかしいつも命令口調で態度は大柄。他の後乗りドライバーから決して好かれて
はいない人物だった。
デカイ事故をやるドライバーは必ず感情や精神状態、循環器系や脳内になにかしら
の問題がある人が多い。それを知った時、正直私はまいった。その事故を蒙った
顧客は、私が以前勤務していた代行に移動し、私と仲が良かった前乗りさんが指名されるようになっていた。