自動車運転代行　14本目

>>814
僕が後乗り時代の話だけど、新人前乗りドライバーは必ず研修上がった翌日、
僕と組む。決まっていたわけじゃないけど、あいつならホローがちゃんと
できるだろう、と見込まれていたわけだ。

酷いのになるとタクシー協会内でブラックリストに入りタクシー勤務が
できない連中も何人かいた。何かしらの問題を持った人達だった。

結果彼らは代行は無理で辞めて行った。
いやタクシードライバーである程度のレベルの人でも代行は難しい。
一本毎に違う車、夜間での勝手の違う車種、始めて入る路地もある。
夜間での車庫入れは後乗りに負う部分が大きい。

60近い爺さんが後乗りとセットになった時、店付けまでの運転は僕がやった。
そのほうがストレスが溜まらない。彼らに店の位置や道路経路も教えてあげられる。

去年の暮れ26本代行したことがある。随伴車の走行距離は300kmちかかった。
その24本まで随伴車の店付けを俺が運転したよ。

確かに車好き、運動好きの人とそうでない人では大きな差が出る。
やはり運転の嫌いな人は運転も下手だし危険な運転すらする。

これはもう適性の問題。本人が悪いんじゃないよ。

僕が一番気に入った後乗りの一人に60前の爺ちゃんがいた。
運転はド下手。疲れてくると中央線よりの運転をし、狭い路地では逆走に近い。
左折も大きく膨らむ。左後輪の回り方を見ながらの運転ではなく、右前の
回り方を見ながら運転するからそうなるわけだが、店をよく知っている。
ベテランレベルなのだ。代行は未経験なのに。

酒が好きで若い時から飲み歩き、一度会社まで起こして飲食店組合の理事まで
やった人だから、歩く食べ歩きマップ爺ちゃんだったのだ。

店付けの運転は俺がやった。神風代行と俺の号車はいわれた。
そして店付けは誰にも聞かずに一番早かった。

毎晩他の号車と比較すると俺の号車は他の号車より二本は多かった。
毎日毎日二本ずつ売上が違ったら月に50本違う。
この50本の見返りは即給与に反映した。

>>804
僕の経験からいうと、前乗り後乗り関係なく、循環器系、脳疾患を病んでいる、
またはその初期段階の人ですよ。

私が後乗り時代に酷いのがいた。

一方通行路の後ろ側にパーキングがあった。その前乗りはお客さんと一緒に
歩いていった。その前乗りさんはタクシー協会ではブラックリスト入りしている
人物で、私がパーキングにいくまで車を動かさないように、と注意したにも
かかわらずバックして駐車中の他の車にぶつけた。

その後何回か危ないと思ったことがあった。後ろから見てまず車速が安定しない。
左右に車がフラつく。ブレーキングがおそい。

まだ勤め人だったので会社に報告すると社長はすぎに脳外科専門の病院に連れて
いった。案の定微細な脳梗塞が数カ所あり動脈瘤も発見された。
一時後乗りに降格させ通院させながら様子を見、また僕が後乗りになって代行
させたら大事故にぺお起こしてしまった。
道交法的には過失はわずか。交差点内で一旦停止無視の車が横から突っ込んできた
わけだからしょうがないんのだが、まんま電柱に突き刺さった。
車は0クラウンだったが、横からのツッコミと電柱にぶつかった二度の衝撃で
全損事故となった。速度は30km/hぐらいだったが車は大破した。
救急車が2台来た。交差点周辺は大変な騒ぎとなった。金曜日の10時代の時間
だったから配車のやりくり、全体の稼ぎに大きな悪影響が出た。
社長がピンチヒッターで代行にでてしまい、本部からの支援はなく、
私は事故処理でたいへんだった。

その後その前乗りさんは他の代行会社を転々とした。行き先々で物損事故を
起こしてクビになっては他の代行会社に就職した。

しかし今年始めにそれに終止符が打たれた。

ある冬の朝、その人は布団の中で息を引き取っていた。
まだ50代後半の年齢。

最後に見た時は、市営駐車場で新型Zを車庫出ししていた。
僕は前乗りになっていた。先に書いた、歩く食べ歩きマップ爺ちゃんの後乗りが
精算機に近寄り精算を手伝っていた姿だった。

だがこれは最悪の事例ではなかった。

代行乗りの中でも史上最悪だと思った前乗りがいた。

こいつは超デブで、呼吸が荒い。客待ち中助手席に座っていると苦しいと言い
真冬でも窓やドアを開けっ放し。
寝る時は助手席でうつ伏せに寝る。仰向けで寝られない。呼吸が困難になるのだ。

こいつは異常な肥満で無呼吸症候群になっていた。だから睡眠は浅く、
常に寝不足状態で、入社してから自分の車を二回全損させている。
見事なまでの側壁への正面衝突事故とか。

そいつは夜の1時を過ぎると運転がフラつく。ひどく右寄りの運転になり、
客からのクレームは史上最高例に達した。

無呼吸症候群から来る慢性的睡眠不足が居眠り運転を誘発させているのだ。
私は社長に即座に報告し前乗りからの降格を進言した。
本人は居眠りだから自覚がない。だから本人は大丈夫だという。
医師の診断書をださせろという話が出る直前に客車を全損させた。
人身事故にならなかったのが奇跡。

こいつは二種免許どころか一種免許だって剥奪したほうがいいくらいだ。
夜間の代行乗りとしては完全にアウト、失格である。

そして最悪な事件が年末発生した。

市営駐車場に車取りに行った。
車はBMW。固定のお客さんで、上得意の顧客だった。

事件はこの車取り中に発生した。年末だったので精算機出口は混雑していた。
奴は突然車から飛び出た。

超デブの奴の身体が突然ブルブル震えた。
彼の足元は糞尿、汚物の池になった。

そうウンコを漏らしてしまったのだ。それも下痢ピーを。

代替えドライバーを手配、再配車に手間取り30分遅れた。
ウンコ漏らした前乗り超デブドライバーは、粗品のゴミ袋で厳重に下半身を包み、
後乗りに自宅まで送らせた。可哀想だったのはこの時後乗りをやった人だった。

悲惨、最悪、チョー最低。全ての言葉を使っても、このウンコ漏らしの前乗り
を的確正確無比に表現する事は不可能だ。

不幸中の幸いは車中でウンコを漏らさなかった事だけだ。
この手の損害はJDも全代協も保証しないと思う。もし車中でウンコ漏らされて
損害出されていたら大変な事になっていただろう。