トナミ運輸と【綿貫民輔】とヤクザと内部告発者 サンデー毎日2005年3月13日号
『「会社に自由を売り渡さない」 ヤミカルテルを内部告発して30年 「トナミ運輸」社員の筋金人生 』
【綿貫民輔】のファミリー企業、運輸大手「トナミ運輸」(本社・富山県高岡市)の営業マンが業界の不正を世に訴えた。
だが、彼を待っていたのは、30年間にわたって仕事、昇格、昇給を与えられないという空前絶後の報復だった。
2月23日午後1時15分。富山地裁の永野圧彦(あつひこ)裁判長は、「トナミ運輸」に1356万円の賠償支払いを命じた後、「判決要旨」を読み上げた。異例のことだ。
■ヤクザまで使って退職を強要
告発後、串岡さんは75年10月に富山県福光町(現・南砺市)の教育研修所勤務を命じられた。1階に事務室があるにもかかわらず、2階の個室をあてがわれた。上司の課長は「扉は常に閉めて、研修生とは接触しないように」と串岡さんに命じたという。
串岡さんは29歳にして、「窓際族」にさせられたのだ。仕事は草刈り、布団の整理、雪かきなど雑務だけ。この「隔離」は、研修所が現在の新施設に移るまで、16年半も続いた。
一方で串岡さんを辞めさせようとする会社側の工作も激しくなった。
暴力団の「若頭」を名乗る男が串岡さんの自宅を突然訪ねてきたこともある。
「会社を辞めなければ、組の若い者を使ってお前をひき殺す。交通事故だから誰も殺人とは思わないだろう」
などと脅した。
新湊市役所職員で、【綿貫議員】の後援会員でもあった串岡さんの兄のところに、社の役員が来て、
「弟を辞めるよう説得できなければ、【代議士(綿貫議員)】から新湊市長に申し入れて、あんたを辞めさせることになりかねませんよ」
と脅しをかけたこともあったという。
判決はこう指摘している。
「暴力団が所持していたメモの用紙が被告(トナミ運輸)社内で使用されているものであったこと等からすると、少なくとも、何らかの被告の関与があった事実を認めることができる」
「三権の長」のファミリー企業がヤクザまで使って内部告発者を辞めさせようとしていたことになる。
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